第3章126話:デュアラリー試験


そして週末。


デュアラリー試験の受験日。


私は朝から大学にやってきた。


今日は一日中、テストである。


気合を入れて受験室に向かう。


最初の試験が行われるのは、魔法学部棟の2階だ。


大ホール。


段々状のテーブル。


私は一番前の席に座る。


私と女教授以外、誰もいない。


同じ日の受験者がいないだけか。あるいは、受験者そのものがゼロなのか。


とにかくここで受験するのは私だけのようだ。


教授が言う。


「数学の問題用紙を配ります。1分後に開始するので、合図があるまで問題用紙は伏せておくように」


問題用紙が渡される。


1分間待機。


そして。


「では、はじめ!」


問題用紙を表にする。


ザッと眺める。


(あー、図形問題かぁ……)


全体として図形問題が多いのが、一目でわかった。


空間図形もそこそこある。


なるほどね。


四則演算ができたら優秀とされる異世界で、これは確かに簡単ではないだろう。


しかし、望むところだ。


満点を取ってやる!


解く。


解く。


解く。


◆◆◆

<最終問題>


27の10乗は何桁か?


◆◆◆


ふむふむ。


これが最後の問題かぁ。


まあ、難しくはないな。


(27の10乗は、3の30乗だから……15桁かな)


よーし。


これで終了だ。


見直しをして、計算間違いがないかチェックする。


うん、ない。


満点確定だろう。

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