第3章117話:茶会


休日を挟んで、翌週。


朝。


私はさっそく自分のティールームで入り浸っていた。


いやあ……


このティールーム、最高だね。


まるで自分の拠点が一つできたみたい。


ベッドで寝られるし。


お風呂に入れるし。


キッチンで美味しい料理も作れるし。


娯楽も持ち込めば楽しめる。


自分の家の私室か? って思うぐらい、思いきりくつろげる空間だ。


500万ディリンは高いと思ったけど。


払った甲斐があるわ、これ。





ティールームの天蓋つきベッドでごろごろする。


ごろごろ……。


ごろごろ……。


ごろごろ……。


ああ、最高だ。


こういう何も考えずに、のんびりする時間も必要だと思うんだよね。


深呼吸をする。


心を無にして瞑想する。


ストレスが吹き飛んでいく感じ。


リラックスしていく感じ。


今日はもう講義はお休み。


一日中、ここでまったりすることにした。






翌日。


朝。


晴れ。


フランカとマキとエドゥアルトを招待する。


第一回、お茶会である。


まあ、お茶会といっても、気楽におしゃべりする会だ。


政治的なつながりを形成したり、商談をしたり、そういう面倒くさいことはしない。


お茶を飲んで軽食を楽しんで、他愛も無い話に花を咲かせよう、という友達会である。


「素敵なお部屋ですね、ルチル様」


フランカが褒めてきた。


「私もそう思います。居心地の良さそうな部屋で、和やかな気持ちになれそうです」


マキも同調する。


私はウンウンと頷いて言った。


「そうでしょうそうでしょう。昨日は一日ここでごろごろしてしまいましたからね。自分でも素晴らしい部屋だと思いますわ」


言いつつ、私はお茶と茶菓子を用意した。


本来、こうしたお茶は使用人に淹れさせるところだが、茶会では主催者が自分で淹れるのがルールだ。


つまり今回の場合は、私が……である。


「ルチル様がみずからお淹れになったお茶をいただけるなんて、感激の極みです!」


マキが感謝の言葉を口にする。


「マキが茶会を開いたときは、マキが淹れたお茶を飲ませていただきますわね」


「はい。そのときのために腕を磨いておきます」


楽しみにしておこう。


(お茶だけじゃなくてコーヒーもあるといいな)


実は以前にコーヒーノキを採取して、それをコーヒー豆の粉末へと変えてある。


アイテムボックスに眠らせたままで、完全に忘れていたけど……。


今度、コーヒーを作ってみようか。


茶会にはピッタリの飲み物だし。



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