第3章111話:体力テスト
全力疾走のスピードを図るテスト。
重量物を持ち上げるテスト。
持久力テスト。
投擲力を測るテスト
……などなどが行われた。
教官に叱られた剣術学部生たちは、最初のテストとは熱気が違っていた。
剣術学部生でもない人間に負けたら沽券に関わると思ったようだ。
もちろん教官があおったからである。
(さすが剣術学部生。プライド高い人が多いね)
剣術学部にはフランカのように軍人貴族もいる。
騎士もいる。
本気で剣士の道を志している者もいる。
だからもともと負けず嫌いなのだろう。
まあ、こっちも負けるつもりはない。
全力を出した。
……結果。
さすがに全てにおいて1位ということはなかったが、どれも好成績を修められたと思う。
(こういう訓練は、父上から散々鍛えてもらったからなぁ)
跳んだり、走ったり、投げたり、重いものを持ち上げたり……
戦士の基礎となる能力は、徹底して鍛えられた。
「やるじゃないか新入生代表。さすがは軍人令嬢といったところか」
女教官は感心したように言ってきた。
「……ご存知でしたか」
「当然だ。私は軍部所属だったのだぞ。軍人をやっていてミアストーンの名を知らん者はいない」
「そうでしたか。しかし、それは父の名ですから、家名に恥じない働きをしていきたいと思いますわ」
「良い心意気だ。お前のような優秀な娘を持てて、ルーガ閣下もさぞお喜びだろう」
そんな話をする横で、剣術学部生は悔しがっていた。
「くそっ……魔法学部生に負けた。体力には自信あったのに!」
「というかあいつ、運動神経ありすぎだろ……」
「あいつ呼ばわりはダメよ。相手は貴族様よ」
「ルチル様って、剣術学部を受験していても受かったよな」
女教官がそれを見て笑う。
「ルチル嬢がうちの実習講義を取ってくれたら、剣術学部生の良い刺激になりそうだな」
「取るかどうかはわかりませんわ」
「そうか。ただ、楽しみにしておこう」
うーん。
まあ、運動不足にならないように、取ってみてもいいかな?
そして剣術実習の講義が終わる。
1科目90分の講義。
前世のときから思ってたけど、90分ってなかなか長いよね。
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