第3章109話:剣術訓練


剣術学部の棟にいく。


この時間帯は【剣術実習・初級】の講義がある。


実習とは、簡単にいえば実技のことだ。


実技の訓練なので、屋内ではなく野外での講義である。


私も剣術は学んできたので、ちょっと参加してみることにした。


場所は、剣術学部棟の裏手の庭である。


ここは訓練場になっているようだ。


訓練場に男女が整列している。


一番前に教授らしき女教官が立っていた。


「これより剣術実習・初級を始める。私のことは教官と呼べ。この講義は剣術学部生は必修科目だ、必ず受けるようにしろ。では出席を取るため、まずは学生証を提示してもらう」


女教官の命令で、全員が学生証を提示していった。


その中にフランカの姿もあった。


目があったので、手を振っておいた。


「なるほど。剣術学部生以外の参加者は1人だけか」


女教官はぼそりと言った。


その1人とは、もちろん私のことだ。


まあ剣術訓練なんて、そりゃ剣術学部生しか興味ないよね。


「本格的な剣術訓練は、再来週から始める。今日は、簡単な体力測定をする。いいな? まずはウォーミングアップだ。ランニング10周!」


訓練場を10周させられる。


終わったあと、体操。


そのあと軽い筋トレだ。


ウォーミングアップが終了すると、女教官が言った。


「では体力測定だ。最初は、身体強化魔法を使ってどれだけ高く跳べるか、テストをする。学生証を提示してから、その場で真上に向かって跳ぶように。では並べ」


女教官は指示する。


私たちは横一列に並ばされた。


全員が見ている前で、テストされるようだ。


「まずは一人目だ。さあ、跳んでみろ」


「はい!」


学生の一人が学生証を提示してから、みんなの前に立つ。


そして、膝を曲げてから垂直に向かって跳んだ。


2メートルぐらいだな。


身体強化魔法を使ったにしては、低い。


「いいだろう。では、次の者!」


「よろしくお願いします!」


そうして男女が次々と跳んでいく。


順番が回って、私の番までやってきた。



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