第3章98話:フランカ発見


結局、正門から少し離れたところでフランカが見つかった。


探していたことを伝えると、フランカは謝罪した。


「さ、探させてしまい、申し訳ありませんでした。ルチル様」


「どうしてこんなところで待ってたんですの?」


「ええと……正門だと人が多くて、ルチル様を見分けられないと思い、離れた場所で待機していました」


なるほどね。


まあ、合流できたから良しとしよう。


すると、マキが言った。


「あなたがフランカですね。今後、ルチル様にご迷惑をおかけしないよう注意なさい? 子爵令嬢がルチル様の取り巻きを任じられるなど、本来なら有り得ない栄誉なのですから」


フランカが尋ねる。


「ええと……あなたは?」


私が代わりに答えた。


「こちらはマキ。新しい取り巻きの一人ですわ」


私の言葉を引き継いで、マキは優雅に自己紹介をした。


「辺境伯令嬢、マキ・フォレステールです。以後、お見知りおきを」


「ふ、フランカ・ビシュケースです。よろしくお願いします」


さて、これで人は揃ったか。


と、そのときエドゥアルトが言ってくる。


「ルチル様。そろそろ入学式の時間が迫っているでしょうから、お早めに講堂へ向かわれたほうがよろしいかと」


「そうですわね。ではみなさん、参りましょうか」


私たちは正門をふたたびくぐって、講堂へと向かった。



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