第1章〜元カレを見返すためにクラスの三軍男子をスパダリに育てることにします〜③
「うわ……変人が増えた……」
ボソリとつぶやく
中等部に入学してから、
「なんだ、高須クンか……いきなり後ろから声を掛けられた上に、背中を叩かれたら驚くじゃないか?」
「おいおい、
嫌悪感まる出しの
「
「もちろん、我らが映像文化研究会の部長である寿太郎が
友人を一国の君主に例えるのもどうかと思うが、自分自身を歴史や創作上の天才軍師になぞらえる辺り、自己評価が高すぎて、話しを聞いているだけで、
そんな彼の様子に気づいたのか、隣を歩く我が妹が、「また、二人だけで、意味のわかんない会話をして……」と、つぶやいたあと、あきれはてたような口調で話しかけてきた。
「お
そう言って、ため息をついた
「そんなんだから、
『ぐうの音も出ない正論』とは、このことを言うのだろう。
「そんなに、ハッキリ言い切るなよ……」
小声で抗議しつつもの、自分たち兄妹の後ろを歩く、自称・天才軍師の顔を肩越しに見つめながら、オレは、妹よりも深いため息をついた。
妹が、前言を撤回して、兄の交友関係に関する認識をあらためたようなので、ここで、彼自身も、彼女のことを「趣味の悪い妹」と認識したことを訂正しようと思った。
それは、彼女が小学生の頃に就いていた仕事の影響なのか、彼らの少々複雑な家族関係が影響しているのかはわからないが、
そんな妹に、
そして、この高須不知火が副部長を務める文化系クラブ『映像文化研究会(通称・映文研)』で部長の任に就いている
こんな上級生に囲まれた状況で、ともに登校するというのは、自分が感じている以上に、思春期女子である
「あっ! カナちゃん!」
と言って、彼女と同年代の女子に駆け寄って行った。
通学路になっている階段状の歩道の最上段で、穏やかな笑みを浮かべているのは、
電車通学をしている深津家の兄妹と違って、学校の近隣に住んでいる彼女とは自宅が離れているものの、よほど仲が良いのか、今年も
さらに付け加えるなら、顔を合わせたときなどは、学内で変人扱いをされている彼に対しても、丁寧にあいさつをしてくれる、しつけの良く行き届いたお嬢さんである、というのが
彼女と親交を深めているという事実は、
「じゃあ、お
いつの間にかオレの隣を歩いていた映文研の副部長が苦笑するなか、
普段なら、ぞんざいな物言いに、少しムッとするところだが、隣を歩くのが、学内の奇人では、その反応もやむ無しか、と
そうして、身内がいなくなったことを見計らったのか、普段は空気を読まないくせに、こういう時だけは、妙に気を利かせる友人が、質問をしてきた。
「ところで、深津部長よ。十一月の
予想通り――――――。
休日の前の日にあたるこの日の登校時に、わざわざ声を掛けてきた理由は、これだろう。
そして、彼が、
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