第3話 海!!
数十年住んできた町、
時々吹くやわらかい風が、葉っぱをリズムよく揺らし、心地よい音色を奏でる。
大きなビルもマンションもない
いつもと同じ道を通っているだけなのに、
「風がとっても気持ちいいねっ!」
みふゆちゃんの張った声が、風切り音と一緒に混ざって聞こえた。
前を確認して、少し後ろを向く。
「そうだねっ! めっっちゃ気持ちいい!」
そしてめっちゃ楽しい。気分はとても
自転車で走っているとわかる、自然豊かで、空気がおいしくて静か。お買い物とかは少し不便だけど、そんなのはどうでもよくなるくらい過ごしやすくて、こんな町が好き。
しばらく進むと、T字路に突き当たる。ここを左へ、突き当りには大通りに面する交差点が見える。この交差点を右へ曲がると、
この
道幅も広くなり、行きかう車も避けやすくなったため、心に
少し、スピードを上げた。
もう、夏の暑さなんか吹っ飛んでしまった。
両側に植えられた大きい木が、ビュンビュンと抜けていく。
途中で
そこからしばらく、まっすぐ進むとようやく見えたのは海だった。
少し
「おお~~!! 海だ!! やっと着いた! ほら、見てみふゆちゃん!」
海が日光に反射してキラキラしていて、ダイヤモンドが輝いている様だ。
その海を見たみふゆちゃんの目もキラキラしていて……。
こんなにテンションが上がった日は久しぶりだった。
この海は
ぐーっと望む、
「やっと着いたね。こんなに空気がおいしい場所だったなんて
みふゆちゃんはふふふって笑っていた。
「ありがとうね。私と一緒に遊んでくれて」
「いやいや、まだ何もしてないよ。あと、こんなの当然に決まってるじゃん! 私が一番みふゆちゃんを知ってるんだから。これからも、もっと遊ぼうよ!」
ニッと笑って気合入れた。
「ほら、行くよ。みふゆちゃん」
みふゆちゃんはコクリと頷いて、自転車のペダルに足を掛けた。
あっちと指さし、小さな売店に向かう。
とりあえず
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