瑕疵 錐1

彼女の役目は恫喝。折衝。欺瞞。泣き落としだろうが、偽称(証)だろうが、言葉を伴うあらゆる悪事。

彼女に欠落したモラルは、その行為の歯止めになるべきである人間としてのモラルは彼女に存在しなかった。

なぜなら彼女はそれら全てを周囲の人間から嫌と言うほど行われてきた。

いや、嫌と言うほどと言う観念ではない、それしかそこに存在しなかったのだから他に何を感じうることもなかった。

彼女の世界はそれのみで構成されていた。

生きるためにつく嘘、いや、生きるためですらない、強いて言うなら呼吸をするために付く、それくらい普通のこと。

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間違いには違いなく 雨季志昇 @amakisiyo

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