introduction.

第7話 Dawn.(黎明)

冷戦が終わる時。

それは氷が融けて小川が出来るものだとばかり思っていた。


だが実際には絵本のように、いやそれ以上に急展開をした。コマ送りのように感じていてまるで実感が無かったのだ。


休日。朝からのんびりテレビを見ながら朝食を烏森とともに食べているとテロップで速報が流れた。


■UFb速報■国内で閉鎖都市を管理していた軍が事実上の崩壊。冷戦の終結か


ブチ切りで映像はアナウンサーへと代わり、男性のアナウンサーが原稿を読み上げる。

「72年より続いていた冷戦が終結しました。これは先程、防衛大臣ならびに首相が臨時会見で発表したものです。また、軍部のトップも同じ時間に声明を発表しました。(我々は、同志と共に国防の為に尽力したが時代が我々を不要と判断したようだ。多くの閉鎖都市・秘密都市において市民からの抗議や内部分裂によって統制が図れなくなったのだ。我々の存在意義は今後、1つの政府によって引き継がれる)

なお、政府はこれより先、2年を目処に閉鎖都市の強制解放ならびに調査を行う。スタンドアロンとなっている閉鎖都市においては、手動(人力)で対応します」と。


テレビでは検問所が映されて、暇そうにしている兵士が写っていた。軽快な音楽が流れているラジオの横で冷めた虚無な眼差しで、横を何台も通り過ぎてゆく車を止めることなく見ていた。


重装備の車には閉鎖都市のトップが乗っていて、未開放の都市へと逃げていく。


そんな彼ら・彼女らが居なくなった兵士はもうただの人だ。保障はこれから話し合われるというが。期待はできないだろう。


「時代が変わるのか、人が変わるのか。どちらにしても私達はこの先のあり方を考えなくてはいけない」




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