復活するゴーレム
カーナは少しずつ目を開けてみた。すると上の方が一瞬、まぶしくなった。空を見上げるとそこには光り輝くライティの姿があった。彼女は
「来てくれたんだわ・・・」
その姿にうっとりと見入っていた。
ライティは地上に下りると身構えた。先の戦いでは打撃技は効かなかった。そして下手に組むとその怪力で締め上げられてしまう。こうなればあれしかない。幸いゴーレムは体の動きが鈍い。いきなり必殺技を出しても逃げることはできないだろう・・・ライティはそう考えた。
ゴーレムはライティにつかみかかろうとゆっくり向かってくる。躊躇しておられないとライティは額にエネルギーを貯め、一気にそれを放出した。
「クラッシュストライク!」
その光線はゴーレムをとらえ、燃え上がらせた。ゴーレムは苦し気に暴れて咆哮したが、やがてそれは灰になった。そして崩れて土に還った。ライティがあっけなくゴーレムを倒した・・・かに見えた。
その光景をバークが町の高い塔の上から見ていた。ゴーレムが倒されても彼にはどうということもなく、平然としていた。このことはすでに想定済みなのだ。
「これで終わりとは思うな。ふふふ・・・」
バークは不気味に笑って、呪文を唱えた。ゴーレムの召喚獣は自らを合体させたものではない。バークの魔法力で拵えたものだった。彼の魔法力が健在な限り、ゴーレムを出現させられるのだ。
「・・・ゴーレム召喚!・・・」
すると地面が震え、砂煙が舞った。そして砂の中からゴーレムが再び現れた。大きな体を震わせてライティに向かってくる。
ライティは驚いて茫然としていた。倒したと思ったゴーレムがまた現れたことに・・・。だが気を取り直してすぐに身構えた。ゴーレムにつかまれる前に倒さねばと・・・そしてまたエネルギーを額に貯めた。
「クラッシュストライク!」
を放った。それはまたゴーレムを燃え上がらせて灰にした。2度も必殺技を放ったことでライティのエネルギーはかなり消耗していた。だがこれで本当に片付いたとライティは空に飛び立とうとしていた。しかし・・・。
バークはニヤリと笑いながら呪文を唱え続けた。
「・・・ゴーレム召喚!・・・ゴーレム召喚!・・・ゴーレム召喚!・・・」
すると砂の中から3体ものゴーレムが出現した。バークの魔法力が続く限り、いくつでもゴーレムを出現させられる。しかも彼は薬を飲んで魔法力を強化していた。
ライティは突如、現れた3体のゴーレムを前にして身構えた。これではいくらクラッシュストライクを放ってもきりがない、いやエネルギーがなくなってしまう。ライティは右手にエネルギーを貯めた。
「エネルギーソード!」
すると右腕が光り輝く剣に変わった。それを振り回しながら3体のゴーレムに向かっていった。すれ違いざま斬りつけ、胴を真っ二つにし、首を落とし、四肢をバラバラにした。それで3体のゴーレムは土に戻った。
だがまだ終わりにはならなかった。また3体のゴーレムが現れたのだ。クラッシュストライクとエネルギーソードを使ったため、額の炎が大きく揺らいでいた。エネルギーをかなり消耗して残り少ない。このままではライティは消滅してしまう・・・。
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