ライティの戦い
宿営地の消火を終えるとライティはキングドラゴノイドの前に立って身構えた。キングドラゴノイドは現れた突如現れたライティを見て、
「グオー!」
と威嚇して咆哮した。ライティはそれにひるまず向かっていった。そしてキックやパンチをキングドラゴノイドに叩きこんだ。それでかなりのダメージを与えており、キングドラゴノイドが苦しそうに後ろに下がった。
さらにライティが攻撃しようとすると、キングドラゴノイドが両方の翼を激しく動かした。するとかなりの強風が吹き、ライティは吹き飛ばされそうになった。だが顔を腕で風から守り、足で踏ん張り何とかこらえた。しかし前に進むこともできず、なんとかその場に踏みとどまるのがやっとだった。
そこにキングドラゴノイドが火炎を浴びせた。それはライティを直撃した。火に包まれたライティはその場に倒れ込んで、
「フーワッ!」
ライティは苦しむ声を上げた。キングドラゴノイドの猛火はライティにかなりのダメージを与えていた。体に着いた火が消えてもなかなか立ち上がることができない。腕でなんとか起き上がろうともがいていた。
そこにキングドラゴノイドが向かってきて蹴とばした。ライティはうつぶせに倒れた。キングドラゴノイドはその上から激しくパンチの雨を降らした。その打撃音は辺りに響き渡った。ライティはそこから逃れることができず、やられ放題だった。大きなダメージを受けてライティの額の炎が揺らぎ始めた。このままでは彼は消滅してしまう・・・。
その戦いの場の近くにジャック隊長が単身来ていた。ライティがやられている様子を見て、
「これはいかん!」
と声を上げた。そしてジャック隊長はすぐにキングドラゴノイドの後ろに回り込んだ。狙うはその背中に生えている翼だ。そこが弱点なのだ。キングドラゴノイドはライティへの攻撃に夢中でジャック隊長には気づいていない。彼はライティを助けるために力を込めて必殺技を放った。
「ナイツ オブ ナイン!」
すると魔法の九人の馬に乗った騎士が浮かび上がった。それぞれが長い槍を構えて膣撃態勢に入っている。それがジャック隊長の剣に合わせて一人ずつ突っ込んでいく。キングドラゴノイドの背部を襲う衝撃が9回起きた。それはキングドラゴノイドの翼を見事に破壊した。
「ぐえー!」
キングドラゴノイドは叫び声をあげて悶絶していた。その間にライティは転がってキングドラゴノイドの元から脱出した。そして起き上がりエネルギーを額に集めた。
「クラッシュストライク!」
その光線はキングドラゴノイドを貫いた。するとそれは力なくばったり倒れた。だが召喚獣のように消滅することはなかった。その代わりに体を縮小させ、普通のドラゴンの姿になっていた。そのドラゴンは何者かに魔法をかけられ強大なキングドラゴンと姿を変えさせられていたようだ。
ライティはそれを見届けると上空に飛んで行ってその姿を消した。
その姿を見ながらジャック隊長はつぶやいた。
「ライティ。ありがとう。また君に助けられた・・・」
辺りは少し明るくなっていた。夜が明けようとしているのだ。
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