第5章97話:決着

それにあたってのアイディアがある。


新しく得たスキル――――【瞬迅しゅんじん】と呼ばれるスキルだ。


これは簡単にいえば、高速で移動することができるスキル。


何度か練習もしたので、スキルの使用感もわかっている。


私はさっそくここで使ってみることにした。


(瞬迅!)


私の身体に青いエフェクトが発生する。


同時に私は、足の裏で地面を蹴った。


直後。


超加速ともいうべきスピードで、私は地竜に向かって驀進ばくしんする。


ゴレムソードを刺突の構えで持ち、地竜に激突。


ゴレムソードの刃は、地竜の肩に深々と突き刺さった。


「グオォォォォオオッ!!!?」


地竜が絶叫を上げた。


すぐさまゴレムソードを引き抜いた私は、跳躍して地竜の腕に飛び乗り、さらにジャンプして宙に浮く。


地竜の頭上に来る位置だ。


ゴレムソードを、真下に向ける。


地竜の脳天を狙う刺突の構え。


その状態で、ふたたび。


(瞬迅!!)


そう唱えた。


次の瞬間、私は下方向へと爆速で落下していった。


地竜の頭に着地し、同時に、ゴレムソードが地竜の頭部に突き刺さる。


「グガアアアアァァァッ!!!??」


地竜がふたたび絶叫。


それは断末魔の叫びであった。


数秒のあいだ地竜がもだえ苦しんだあと。


ぱたりと地面に倒れ、それきり動かなくなった。


「はぁ……はぁ……」


さすがに緊張して、汗をかいた。


息も荒れている。


だから、深く呼吸をおこなった。


「ふう……」


地竜を倒すことができた。


レベルアップする。


達成感が心に満ちた。




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