第5章95話:ボス部屋

宝箱があった場所から、元の道に帰ってくる。


今度は反対の道を進むことにした。


こっちが正規ルートだろう。


私はぐんぐん進む。


……と。


そこに魔物が現れる。


飢えたハイエナのような顔をした、二本足で立つバケモノだ。


体格は2メートルぐらいある。


鑑定してみると、こいつは【ボスコボルト】らしい。


ボスという名前がついているが、どうやら雑魚モンスターのようだ。


いわゆる強雑魚きょうざこだろう。


「ガアアァウッ!!」


私を発見したボスコボルトが、牙をむきだしにして叫んだ。


ゴレムソードを握った私が、ボスコボルトに斬りかかる。


だが。


「!?」


ボスコボルトの俊敏なツメ攻撃が炸裂する。


下段からすくいあげるような攻撃に、私はあわや切り裂かれそうになった。


慌ててバックステップで退避して、ツメ攻撃を回避する。


(あぶな……っ!)


さすがにラストダンジョンの雑魚は強い。


気を抜いたらられかねない


油断せず、丁寧にいこう。


「ガアアアッ!!」


ボスコボルトが俊敏なステップで私に接近。


斜めにひっかくようなツメ攻撃をしてきた。


それを、私は滑るように回避する。


そして。


「ふっ!」


すれ違いざまにボスコボルトに斬撃を浴びせた。


ボスコボルトの首から血しぶきが噴く。


悲鳴をあげるボスコボルト。


さらに私は、二度、三度と素早く切りつけて、ボスコボルトを撃破した。


「ふう……」


ひと息つく。


なかなか戦いがいのあるモンスターだった。


遺体を回収しておこう。


ちなみに……こいつは食べられるモンスターのようだが、あまり食べたくないな。


でも美味しいかもしれないから、一応、肉は確保しておく。





先に進む。


そのあと、ボスコボルトやミノタウロスと何度も遭遇した。


そのたびにゴレムソードで蹴散らしながら、洞窟の奥へと進んでいく。


やがて。


大きな扉が眼前に現れた。


(ここは……ボス部屋?)


もしかしてラスボス?


いや、さすがに早すぎるか。


おそらく中ボスだろう。



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