第5章94話:通路

通路を進む。


直線通路。


しかし、途中で分かれ道に差し掛かった。


右の通路と、左の通路に分かれている。


(さすがに一本道ではなくなってきたか)


ずっと通路が一本道なら、迷わなくて済むからラクだけど……


ここはラストダンジョン。そう簡単にはいかない。


右と左。


どっちに進むか。


(悩んだってしょうがない。直感で決めよう)


というわけで……


右だ!


私は右の通路を歩き始める。


歩く。


歩く。


歩く。


あ……行き止まりだ。


「こっちはハズレか……」


私は肩を落とした。


念のため、行き止まりの壁を剣で殴ってみた。


隠し通路があるかもしれないと思ったからだ。


結果……何もない。


本当にただの行き止まりのようだ。


トホホ……という気持ちで来た道を引き返す。


元の分かれ道に戻ってきた。


今度は正しい道を進もう。





進む。


進む。


進む。


また分かれ道である。


(今度こそ右でしょ!)


と私は思って、右に進んだ。


だが、すぐに行き止まり。


またか……と思ったが、行き止まりに何か置いてあった。


「あ、宝箱だ」


宝箱としかいいようがない箱が置いてあった。


とりあえず開けてみる。


すると……


「……ポーション?」


黄色い色をしたポーションだ。


とりあえず鑑定してみることにする。




◆◆◆

【攻撃力ポーション・大】

飲むことで攻撃力を1分間、1.5倍に向上させる。


◆◆◆




おおお……!


攻撃力を一時的にアップさせるポーションか。


いわゆるバフポーションだね。


しかも攻撃力1.5倍って……めちゃくちゃ強力じゃん。


私はテンションが上がった。


とりあえずバフポーションはアイテムボックスへ収納する。


(行き止まりだったけど……結果オーライだね)


こういうレアアイテムが拾えるなら、行き止まりでも全然構わないな。


私はそんなことを思いながら、ホクホク顔で来た道を引き返すのだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る