第4章86話:課題

翌年。


春。


朝。


晴れ。


島に来てから3年目に突入する。


私は、冒険において新しい課題に打ち込んでいた。


スキルレベルを鍛えることである。


私のスキルレベルは、ばらつきがひどい。


よく使う剣術や水魔法は高レベルではあるが、それ以外が全然育っていない。


ゆえに、全てのスキルレベルを、とりあえず20まで引き上げることにした。


訓練場所は【ウルフ岩場】とする。


ここにいるウルフやルグイノシシを相手に、ひたすら魔法を使いまくる。


風魔法や麻痺魔法など、普段あまり使わないスキルを中心に、魔法を使いまくり……


魔力が減ってきたら、魔力ポーションで回復するなどして、修行を当たった。






修行を始めて数ヶ月後。


夏が過ぎて、秋。


風魔法がレベル20に達したとき、ウィンドカッターというスキルを習得した。


ウィンドカッターは、いわゆるかまいたちだ。


斬撃性を持った銀の刃風はふうを敵に向かって放ち、ダメージを与えるスキル。


ウォーターアローと似たような技だが、有効面積が広く、切れ味も高い。


また、空中で軌道を変更したりすることも可能で、自由度が高い技だ。


ある意味、ウォーターアローの上位互換として使えるスキルだった。


今後は積極的に使っていくことにしよう。


(あ、そうだ!)


と、昼の自室にて、私は思った。


(この技だったら海の魔物を狩れたりしないかな?)


海に存在する巨大な魚影。


カジキのような一本角の魔物がいるのを、以前に確認した。


ウィンドカッターならば討伐も可能かもしれない。


さっそくやってみよう!


私は、海に出かけることにする。



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