第4章87話:海へ

海へいく。


磯にたどりついた。


岩礁のうえに立って、海を眺める。


カジキっぽい魚を探す。


「うーん、いないなあ……」


一目、見渡した感じでは、魚影はない。


もうどこか遠くへ行っちゃったとか?


……いや、そう判断するのは早いか。


しばらく待ってみよう。






というわけで。


30分ほどのんびり待機していると。


うごめく魚影が現れた。


5メートル以上もある巨大な影。


ツノが生えている。


間違いない。


以前に見たアイツだ。


攻撃を仕掛ける前に、とりあえず鑑定してみることにした。




◆◆◆


【イッカクフィッシュ】

イッカク型の魚。魔物である。

可食。


◆◆◆




ふむふむ。


やっぱり魔物か。


よし。


「倒そう」


と私は魚影が逃げてしまわないうちに、すぐさま魔法を唱える。


風魔法――――ウィンドカッターだ。


かまいたちが水の中へと侵入していく。


水中にいるイッカクフィッシュに見事、直撃した。


イッカクフィッシュが真っ二つに寸断される。


斬殺されたイッカクフィッシュから、赤い血が流れ、海水に広がっていく。


「倒したはいいけど……どうやって回収しよう?」


イッカクフィッシュの肉がプカプカと浮かび始める。


近くの水は、イッカクフィッシュの血で赤く染まっている。


あそこに飛び込んで回収する?


それはヤダなぁ……


うーん。


釣るか。


というわけで私は、竿を取り出した。


大きな返しのついた釣り針を、イッカクフィッシュの残骸にぶつけるように投擲する。


ぐさっ、と突き刺さる釣り針。


そして私は、イッカクフィッシュの肉を釣りあげた。


「よし」


残った肉も、同様の方法で釣りあげる。


これで回収完了だ。



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