第4章83話:のんびり
月日は流れる。
秋になる。
ある日、私は、急激にやる気が失せた。
モチベーションの波というやつだろうか。
ゴーレム討伐という目標を果たしたことで、燃え尽き症候群になってしまったのかもしれない。
努力をする意欲が、驚くほど減退していた。
こういうときには、どうしたらいいだろうか?
決まっている。
「思いっきり、ごろごろしちゃおう!」
そう。
無理に頑張る必要など、ない。
そもそも無人島での暮らしに、義務などはないのだ。
やる気が出ないときは、何もしない。
やりたくないなら、やらない。
またやる気が回復する、そのときまで。
一切働かない!
思いきり、休養を満喫してやるのだ!
というわけで。
私は、自室に引きこもることにした。
ベッドに寝転ぶ。
ごろごろ。
ごろごろ。
ごろごろ。
ベッドのうえで深呼吸をする。
深呼吸。
深呼吸。
何も考えない。
瞑想、マインドフルネス。
頭をからっぽにして、たゆたうように、リラックスした時間を過ごす。
やがて、眠くなってきた。
睡魔に身を任せて、お昼寝をする。
半月後。
私は、素晴らしきスローライフの最中に、こんなことを思いついた。
「そうだ! ゴーレムにマッサージしてもらおう!」
基本的に、家の掃除ばかりさせていた【使役ゴーレム】。
私は、新しい活用法を思いついた。
名付けて、ゴーレム・マッサージ。
まず、リビングに、マッサージベッドを作る。
そこに、私が寝転ぶ。
【使役ゴーレム】を召喚する。
ゴーレムに、寝転んだ私のマッサージをさせる。
「ん~」
ゴーレムが、私の肩、背中、腰の筋肉を順番に揉みほぐしていく。
ああ……
これは極楽だあ……
「あ~、生きてるわぁ……」
と、私はふにゃふにゃになった顔で、和みまくった。
私が召喚した【使役ゴーレム】だからか。
筋肉をもみほぐすのが、上手い。
強すぎず、ゆるすぎない、絶妙なマッサージ強度なんだよね。
脳みそがとろけそうだ。
「ふわぁ~」
と、私は眠りに落ちそうなほどのリラックスを、存分に満喫した。
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