第2章44話:満喫



その後、1ヶ月近く岩場で狩りを続けた。


この1ヶ月、ルリアさんは島を訪れなかった。


何か用事があったのかもしれない。


とにかく、この1ヶ月は、ひたすらウルフたちを狩って狩って狩りまくった。


結果として、数百匹以上のウルフ・ルグイノシシを狩ることになり、レベルもスキルも大幅に向上した。


レベルは34。


剣術Lv9


水魔法Lv11


回復魔法Lv7


麻痺魔法Lv5


そして風魔法も、たまに使ったことでLv4になっていた。


また水魔法のスキルとしては【ウォーターバースト】を習得した。


これは範囲スキルであり、前方に半径15メートルの範囲攻撃を行う。


巨大な水の衝撃をハンマーのごとく叩きつける範囲魔法だ。


敵が群れているところに、ウォーターバーストを叩き込めば、一網打尽にすることができる。


結構便利なので積極的に使っているスキルだ。






あと、地名のわかりやすさのために、名前をつけることにした。


まず、近くの湖のことを【カガリ湖】と名付ける。


最初にカガリマスが釣れたから、それにちなんで命名することにした。


次に、ホーンラビットのいる草原を【ラビトン草原】と名付けた。


ラビットだからラビトンである。


安直であるが、わかりやすさ重視だ。


そしてウルフたちを狩りまくった岩場は【ウルフ岩場】。


ウルフだからウルフである。


安直というかそのままであるが、わかりやすさ重視だ!!





で……


現在、7月。


季節は夏。


暑い。


本格的に陽射しが強くなり、夏が強まってきた。


しかし……それは、海の季節ということもある。


私は7月に入ってから、海水浴を画策していた。


今日が、その記念すべき海開きの日だ。


家から水着を着て、海にいく。


砂浜にたどりつくと、そこにビーチパラソルを設置する。


パラソルの下には、テーブルを設置。


さらにその横に、ビーチチェアを設置した。


完璧だ。


あとは、テーブルの上にパイナップルジュースを置く。


そして、ビーチチェアに寝転んだ。


「ふう……」


パラソルの日陰になったビーチチェア。


正面には、どこまでも広がるマリンブルーの海。アクアマリンの空。


完全にリゾート気分だ。


しかし……


この砂浜にも、海にも、誰もいない。


私だけの海。


私だけのビーチ。


私だけの無人島。


もうね。


最高の気分だよね。


こんなに満たされた時間があるだろうか?


いや、ない!


あまりの贅沢さに、私は陶酔した気分になる。


ビーチチェアに背中を預けながら、パイナップルジュースを飲む。


甘酸っぱい。


ああ、なんて優雅なんだろうか。


深呼吸を一つ、する。


また息を吸って、吐く。


吸って、吐く。


心拍数を下げる。


頭をからっぽにする。


肩の力を抜いて、リラックス。


そうして、この最高に優雅な時間を、ゆったりとした意識で楽しんだ。



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