第2章33話:ホーンラビットの唐揚げ


唐揚げなんて散々作ってきた料理なので、大して苦労せず、あっという間に完成させる。


テーブルに運ぶ。


そして実食。


まずは調味料などは何もつけず、そのまま食べてみる。


「おお……!?」


美味しい。


肉そのものにも旨味があって、じゅわーって肉汁が溢れてくる。


この肉……本当にただの雑魚モンスターの肉なの?


かなり美味しいよ?


「さて、お次はマヨネーズを……」


ホーンラビットの唐揚げにマヨネーズにつけて、食べる。


うん、美味しい。


美味しいに決まってるね。


これはやみつきになる。


(確かに鶏肉っぽい味だね。だったら他の鶏肉料理もいけるかな?)


そんなことを思いつつ、唐揚げを食べ続ける。


レモンとか掛けちゃう。


すると、サッパリした酸味が加わって、さらに味が引き締まる。


ああ、素晴らしい。


(生きていくだけなら、他の魔物を狩らなくても、こいつだけ狩ってれば十分だね)


ホーンラビットの肉がこれだけ優秀なら、別に無理して他の魔物を狩らなくてもいい。


だけど……。


(まあ、そういう生き方はするつもりないけど)


好奇心のほうが勝る。


他の魔物も、食べてみたい。


冒険とかしてみたい。


だから消極的な生き方はしない。


この島のグルメは全て食べつくしてやる。


私の中に、そんな思いが溢れた。


「それにしても、本当に美味しいコレ。もうちょっと作ろう」


あっという間に唐揚げを食べ尽くしてしまった私。


唐揚げのおかわりを作るべく、ふたたびキッチンへと舞い戻るのだった。






そして、この日の昼夜。


私は、ひたすら毒罠づくりに励んだ。


明日、さらなる大量の罠を仕掛けるためであった。



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