第2章32話:罠の大量設置



さらに私は草原を巡る。


経験値を稼ぐため、もっと積極的にホーンラビットを狩りたいので、草原を調べようと思ったのだ。


ホーンラビットと接敵しないよう気をつけつつ、草原をゆっくり歩いてみる。


この草原は半径500メートルの、少しいびつな形をした円形である。


なだらかなうねりがあり、丘もあり、樹木や岩石が点在している。


周囲はぐるりと森に囲まれている。


そして草原に生息するのはホーンラビットのみだ。


「ふむふむ」


私は口元に手を当てて思考する。


ホーンラビットがちょうどよく罠に引っかかりそうなポイントは―――――


「うん、わからない」


そう結論した。


まあ、ホーンラビットの生態がよくわかってないからね。


ただ……


私は思うのだ。


このぐらいの広さの草原なら、適当に罠を設置しまくっても、それなりに成果は出るのではないかと。


ホーンラビットは基本的に、この草原と、非常に近い範囲の森の中までしか移動しないようだし。


よーし。


そうと決まれば、だ。


「とりあえず50個、罠を仕掛けよう!」


私はそう決めた。


毒罠は、そこらの雑草を素材にして作ることができる。


あまり知られていないことだが、雑草には毒を持つ種が多い。


それはこの無人島でも同じのようだ。


なので、雑草をクラフトすれば毒罠は量産が可能なのである。


さっそく、50個を製作する。


この作業は5分もあれば完了した。


あとは設置していくだけだ。


ホーンラビットに近づかないように気をつけつつ、罠をあちこちに張っていく。


(これ……自分でどこに仕掛けたか、たぶん気づけないな。まあ、人間には無毒だから問題ないと思うけど)


さて……罠を設置完了である。


今日の設置数は50個。


この大量設置を毎日続けて、ホーンラビットを狩りまくり、爆速でレベリングしてやるぞ。





家に戻ってくる。


昼。


ランチの時間。


ホーンラビットを使って昼食を作ることにした。


使う肉は、昨日、ルリアさんに教わって解体した肉である。


「うーん、何をつくろうかな?」


ホーンラビットはウサギ。


ウサギは鶏肉の味がする。


ホーンラビットも鶏肉の味なのだろうか?


ちなみに鑑定魔法で調べてみたけど『旨味がある魔物肉』としか説明がなかった。


まあ、作ってみるしかないね。


とりあえず、どんな味だったとしても、大抵失敗しない料理にしてみよう。


「となると唐揚げだね」


私はホーンラビットを唐揚げで仕上げることに決めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る