第2章28話:レベルアップ
周辺を探索する。
1時間のうちに、水溜りを1つ、池を1つ発見する。
この2箇所に、ホーンラビットの足跡があり、水を飲みにやってきていることがわかった。
「じゃあ、毒罠を設置していきましょうか」
「はい。ただ置いていけばいいだけですか?」
「ええ。毒罠の見た目は小石みたいなものだから、他の石とまぎれさせたり、砂をかぶせて見えにくくするといいわよ」
「なるほど! 理にかなってますね!」
私はさっそくやってみることにした。
まずは草原にある水溜りのそば。
ホーンラビットの足跡がある場所に、毒罠を置く。
そこに軽く砂をかぶせたり、ちょっと丈の高い草に隠すようにして、罠がバレにくいように細工する。
それを6回繰り返し、6箇所に設置する。
7箇所目に設置しようとしたとき。
「きゃっ!?」
ぷしゅーっと足元から噴霧が炸裂した。
紫色の霧。
毒だ!
自分で毒罠を踏んでしまったのだ。
「やばっ、どどどど毒が!!」
「大丈夫。言ったでしょ、人間には無毒なのよ」
ルリアさんがそう諭す。
だ、大丈夫なのか……。
私は心配になりながら、一定の落ち着きを取り戻す。
「どこに罠を仕掛けたのか、自分でもわかりにくいですね……」
「まあ、それは仕方ないわね。ちなみに今踏んだので罠を一つダメにしてしまったから、現在設置されているのは5箇所よ」
「うーん。もう5箇所でいい気もしますね」
「そうね。じゃあ、次は池にいきましょう」
「はい」
私たちは池に移動する。
これは草原から20秒ほど森を歩いたところにある池だ。
幅10メートルほどの泉のような場所。
そこに罠を設置していく。
この池には7つの罠を設置した。
「これで完了ですね」
「ええ。じゃあ、いったん家に戻りましょうか」
「はい」
こうして私は、フィールドをあとにした。
しかし、帰路。
家に向かって、森を歩いていたとき、ふいに身体がふわっと軽くなった。
謎の金色の光が、私の身体から溢れる。
それはほんの1秒ぐらいの出来事だったが、私は当然、困惑した。
「い、今のはなんですか!?」
ルリアさんに尋ねると、答えてくれた。
「今のがレベルアップよ。さっきの黄金の光は、レベルがあがったときに出る光玉ね」
「ええ!? 私、レベルがあがったんですか?」
「そうよ。ステータスで確認してみなさい」
言われて、ステータスを開いてみる。
確かにレベルが2になっている。
パラメータも上昇しているようだ。
す、すごい……。
本当にレベルが上がったんだ。
「これって……ホーンラビットを狩れた、ということですよね?」
「ええ。そうね。罠が作動し、ホーンラビットを殺せたということよ」
「なるほど……」
「帰るところだったけど、罠のところに戻って、確認してみましょうか」
「はい!」
私たちはきびすを返し、罠を仕掛けたところへと舞い戻るのだった。
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