第1章26話:コーヒー


食後、私はコーヒーを飲むのだが、それを彼女にも提供したのだ。


すると、


「これは素晴らしい飲み物だわ!」


一口飲んでルリアさんが叫んだ。


「コーヒー、美味しいですか?」


「美味しいなんてものじゃないわ。これは茶会のお茶に匹敵するレベルよ! 精霊界に持ち帰ったら、絶対流行るわね!」


まあ、たしかに茶とコーヒーは双璧をなしている感じはあるね。


私は言った。


「ミルクを入れると、飲みやすくなりますよ」


「へえ。やってみるわ!」


そうルリアさんが答えたので、私はミルクを手渡す。


ルリアさんがミルクを自身のコーヒーに垂らした。


口に運ぶ。


「……!」


直後、ルリアさんが目を見開いた。


「なんて上品なの。苦味に甘味が加わって、複雑な味になったわ。コクがあって……でも飲みやすいわね」


「私は、コーヒー単体なら、ミルクを入れて飲むことが多いですね。無糖は、お菓子と一緒に食べるときによく飲みます」


「なるほど……使い分けをしているのね。面白い飲み方だわ」


「あと、砂糖を入れて微糖にするのもいいですね。ミルクと砂糖を両方入れるパターンもあります」


「へえ。それもやってみたいわね」


ルリアさんは自身のコーヒーに、さらに砂糖を追加する。


そうして飲んで、絶賛した。


「コーヒー……精霊界でも飲みたいわ。月2回だけなんて我慢できない。どうやって作るのかしら?」


「それはですね……」


ルリアさんが聞いてきたので、私はコーヒーの造り方を教えてあげた。


コーヒーノキをクラフトスキルでコーヒー豆に変えて、粉末状に砕く。


あとはコーヒーカップに入れて熱湯をかけるだけだ――――と。


「コーヒーノキ……あの植物が重要なのね。知らなかったわ。今度試してみるわね!」


良いことを知ったとばかりに、ルリアさんが歓喜していた。

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