第1章25話:ルリアさんの再訪



無人島生活を始めてから半月が経過した。


この日、ルリアさんが島にやってきた。


朝。


晴れ。


家の前にて。


ルリアさんと再会する。


「半月ぶりね」


「はい。また会えて嬉しいです」


「元気にやってたかしら?」


「はい。快適に過ごしていました。あ……そういえば、ルリアさんとは違う精霊の方が一人いらっしゃいましたよ」


「ん……誰かしら?」


「クレイシアさんって言うんですけど」


「ああ……」


ルリアさんは納得した。


「あいつ……あなたの料理に強い関心を示していたからね。そう、ここにお邪魔してたのね」


「はい。それで料理を提供したお礼にと、【素材把握】のスキル石を頂きました」


「ふーん。良かったじゃない? 素材把握は、クラフトスキルを使うのにとても便利な代物でしょうし」


私はうなずいた。


必要素材がわからない物品を作るときは、魔力を大量消費しながら作らなければならなかったが……それって結構疲れるんだよね。


でも素材把握を使い出してからは、そういう負担は激減したのだ。


「まあクレイシアとも仲良くやってそうで良かったわ。さて……今日は、魔物を倒す方法についてレクチャーしてあげるつもりなんだけどね」


「はい。是非お願いします」


「……でもその前に、朝食が食べたいわね」


ルリアさんの言葉に、私はうなずいた。


「既に作ってますよ。前回の最後、3食たべたい、っておっしゃってましたからね」


「あ、あれは……ちょっと勢い任せな発言だと反省していたところよ。忘れてちょうだい」


「ん、じゃあ3食は要らないということですか」


「そ、それはまあ……作れるなら、作って欲しいけれど」


ルリアさんは赤くなった。


なんというか、可愛い人だな。


「じゃあ作りますよ。自分が食べるぶんに少し追加するだけですし」


「ありがとう。じゃあお言葉に甘えてお願いするわ。そのかわり、生活の知恵や技術は教えてあげるからね」


「はい」


というわけで、まずは朝ごはんを食べることになった。


今日の朝食は、


パン。


野菜スープ。


ハムエッグ。


ハムエッグにはウスターソースをかける。


「シンプルだけど、とても美味しそうね」


リビングに着いたルリアさんが、食べ始める。


ハムエッグに舌鼓を打つ。


しかし、彼女が本当に驚いたのは食後だった。

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