第1章18話:鯉



夕方。


私は食事の準備をする。


キッチンに立つ。


さて……何を作ろうか?


せっかく湖で魚を釣ってきたのだ。


これらを使って魚料理といきたいところだね。


うーん。


そうだ。


鯉が釣れたはずだ。


イゴコイ。


こいつを使って、鯉料理を作るとしよう。


ちなみに。


鯉は食べる前に、きちんと泥を吐き出させないと、泥臭い味がしてしまう。


普通の鯉なら、泥抜きをするところだが……。


このイゴコイ。


鑑定で調べてみたところ、泥は無いようなのだ。


まあ、だから食べようと思ったんだけどね。


というわけで泥抜きは不要である。


このまま調理する。


「よし。鯉コクにしよう」


鯉コクとは、いわば鯉の味噌汁。


必要なのは鯉。


そして。


(味噌が要るなぁ……クラフトスキルで作れるかな?)


大豆と塩があるからいけると思うけど……


とりあえずやってみる。


お……。


できた!


よーし。


この味噌を使って鯉コクを作るぞ。


さっそく調理を始める。


……。


……。


……数十分後。


「できた!」


鯉コクの完成だ。


とても良いにおいがする。


味噌の香りと、香ばしい魚の香り。


めちゃくちゃ美味しそう!


ただ……この一品だけだとさすがに寂しい。


そう思ったので、キノコと野草を使って、もう数品こしらえる。


まず使うはキノコはクシブナダケで、刺身にする。醤油とわさびをつけて食べよう。


で……ごはん。


クラフトスキルで即効で作ったたくあんと、調理した野草を白米の上に乗せて、完成だ。


ああ、大事なものを忘れていた。


お酒である。


このラインナップなら、清酒が合うだろう。


甘口の清酒をクラフトして……


「かんせーい!」


私はリビングに運んで、いただきますをした。


さっそく食べ始める。


「んんんー! この鯉コク……美味しいー!」


イゴコイは甘味があって。


味噌は旨味と塩気があって。


それらの味が複雑な調和を成している。


相性抜群だね。


めちゃくちゃ美味しいよ!


「野草とたくあんのご飯も悪くない」


美味しい。


お次にキノコの刺身。


まずは何もつけずに実食。


「おお。これはほんとにシイタケだね!」


クシブナダケはシイタケの味がすると鑑定で出た。


実際、がっつりシイタケの味である。


旨味が強い。


ちょっとかつおぶしっぽい風味もあって、いいアクセントになってる。


そして。


次に醤油とわさびをつけて。


実食。


おほーー!


美味しい!!


しかもこれ。


清酒が合うなー。


素晴らしい。






私は夕飯を満喫する。


そして、異世界2日目が過ぎていった。

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