第1章16話:ゴーレム






翌朝。


目を開けて起床する。


「ん、んん……」


上体を起こす。


窓からの採光。


射し込む朝の陽光に、窓辺に浮かぶ空気中の塵がきらきらと輝いている。


私は大きく伸びをした。


ベッドから起き上がる。




朝食。


クラフトスキルでライ麦をパンに変える。


ライ麦パンだ。


それを食べる。


うん、まあまあ美味しい。


コーヒーノキの木の実がアイテムボックスにあった。


これは、名前の通り、コーヒーの原料となるものだ。


なのでクラフトスキルで、コーヒーに作りかえる。


パンと一緒に食べる。


だんだんと目が覚めてくる。


でもちょっと苦いので、ミルクを少し垂らしてカフェラテにする。


飲みやすくなった。


ああ……


優雅な朝だ。









「今日は何しようか?」


私はリビングの椅子に座って考える。


一つ、ここで暮らすに当たって、課題があることに思い至る。


それは家の清掃だ。


無人島で家を建造したことはいい。


しかし、家である以上、メンテナンスは必要だ。


掃除が必要だろう。


(そういえば、私、使役ゴーレムが使えるんだっけ?)


カンタンな命令なら聞かせられるという使役ゴーレム。


私はそれを3体までなら召喚することができる。


最初に女神さまに貰ったスキルだ。


なら、家の掃除を任せよう。


掃除をゴーレムがやってくれるなら、私は水や食料の採取に出かけられるからね。







というわけで。


使役ゴーレムを1体召喚した。


私と同じぐらいの背丈の石人形だ。


同時に、余った資材を使ってタオルとホウキ、ちりとりをクラフトスキルで作る。


私はそれをゴーレムに渡しつつ、「家の掃除をお願いします」と命じた。


すると理解したのか、ゴーレムは小さくうなずく。


そして掃除用具をもって、清掃作業をはじめた。


「へえ~……ほんとに掃除してくれるんだ。ゴーレムって便利」


これは任せてしまって大丈夫だろう。


私は安心して、外出した。


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