第1章15話:リラックスと就寝




シャワーがないので、まずは桶に湯を満たす。


それを浴びて汗を流した。


湯舟に浸かる。


「はぁ……極楽」


肩まで浸かって、一日の疲れを癒していく。


ほどよい湯加減。


心の芯まで温まって、素晴らしい心地だ。


横を見ると、窓からの景色がうかがえる。


星空。


そして、浮かぶ二つの満月。


月が二つなんてファンタジーだけど、悪くない。


とても美しい月だからだ。


窓からの眺めとしては最高だね。


はあ……


と、再度息をはく。


ここは島。


無人島。


ルリアさんが帰ったから、私以外、誰もいない。


文字通り――――無人。


そんな島で、月を見上げながらお風呂に入る。


なんて贅沢なのだろう?


優雅すぎる。


充足感が胸を満たす。


心が和んでいき、私は最大級にリラックスしきっていた。







30分ほどお風呂を満喫してから


本当はもっと入りたかったけど、のぼせたらイヤだからね。


適度に満喫してから上がるのが賢い楽しみ方なのだ。


「お酒飲みたいな」


ふと、そう思う。


食材はある。


クラフトスキルで作れるかな?


やってみよう。


……。


……。


……できた!


赤ワインである。


あとは牛乳を、やはりクラフトスキルで加工してチーズを作る。


それをキッチンで細かくスライス。


プチトマトを添えて、おつまみの完成だ。


それらを持って寝室にいく。


窓際に椅子を置き、外の景色を眺めながら、ワインを楽しんだ。


風流だ。


最高の風情がある。


ワインの甘さ、渋さ、苦さ。


それにほどよくマッチしたチーズの甘味、旨味。


いやー。


優雅だね。


ルリアさんに食材をもらえてよかったよ。


次回きたときは、追加でもらえるように交渉しよう。


そしてワインを飲み干す。


チーズも食べ切ってしまった。


「ふわあ」


眠い。


そろそろ寝るか。


私はベッドに倒れこむ。


やがて睡魔が訪れた。


そうして異世界1日目が過ぎていった。





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