第12.5話 普段の蘭の姿

少しここで番外編。こんにちは、蘭の友達の彩音です。真面目な方ね。

・・・ちょっと、誰が真面目な方よ。変なキャラ付けしないで。



実は蘭って、タイトルにもあるんだけど普段はかなりイケメンなのよ。まあみんなは神戸くん相手に狂ってる様子しか見てないだろうから全然知らないと思うけど。


蘭「〈おい!誰が狂ってるだ誰が!!〉」

陽「〈蘭さん落ち着いてください!ね?〉」

蘭「〈む、むぅ・・・陽葵くんがそういうならいいだろう。たが代わりに抱きしめさせてもらう!〉」

陽「〈なんでですか〉」


そういうとこよ?

全く、神戸くんがいるといっつもああなんだから・・・



まあいいわ。ああなったら放置が一番楽だし。

それで、何が言いたいかというと・・・蘭の普段の姿、というよりは、陽葵くんと絡んでいないときの姿を、ちょっと見てもらおうと思ってね。


あと、これはあくまで番外編だから、本編には基本関係ないわ。だからこういうのが苦手な人は次の話に行ってね。


それでは・・・3、2、1、どうぞ!


―――――――――――――――――――

1限目 数学


「ねえねえ神林さん!こ、この問題なんだけど、もうできた?」

「ん?ああ、さっきの数学のプリントか。全部できたよ。」

「ほんとに!?じゃ、じゃあこの問題教えてくれない?」

「いいよ。この問題はこの式をここに代入して・・・」


・・・・・・


「あ、そういうことなんだ~!」

「わかった?」

「うん!教えてくれてありがとう!」

「どういたしまして。またおいでね。」



 ――――――――――――――――――――

2限目 世界史


「うわ今日調べ学習じゃん・・・」

「あ~めんどくさい~・・・神林さんもそう思うよね。」

「確かに面倒だな。」

「え、神林さんでもそう思うんだ。」

「ああ。時間はかかるし、残ったら宿題。面倒なことこの上ない。」

「へぇ~・・・」

「意外かい?」

「え、あ、うん。なんというか、神林さんと、あと神戸くんもなんだけど、こういうこと文句を言わずにやってる印象があるから・・・」

ないだけですよ~」

「ああ。だが、面倒だからこそ・・・さっさと終わらせる。」


30分後・・・


「終わったぞ。」

「え、はやっ!?」

「やっぱり蘭さんは早いですね~。僕ももう少しで終わるんですけど・・・」

「神戸くんもはやっ!?」



────────────────────

3限目 体育 バスケ


「ほっ」


シュパッ


「よし。」

「流石神林さん・・・上手い」

「フフッ、ありがとう。」

「はわわ・・・」

「ちょっと蘭~?何度も言ってるんだけど、君めっちゃ上手いし背高いしさ、やっぱりバスケ部入らない?」

「私も何度も言ってるんだが、申し訳ないけど今のところ部活には入るつもりがなくてね。」

「ほんと惜しいな~~・・・ま、仕方ない。心変わりしたら言ってね!バスケ部はいつでもウェルカムだからね!」

「アハハ、もしそのときには頼りにさせてもらうよ。」

「お、言ったね!?言質とったからね!?」

「言い方が怖いなぁ。もし、そのときが来たのなら、だからね?」

「わかってるよ!」


「…うおー!陽葵ナイスすぎ!!」

「…やりましたー!」

「陽葵くんと・・・あれは宗弐か?陽葵くんシュート決めたのか・・・私ももっと頑張らないと。」

「やめてね?」


――――――――――――――――――――

昼休み


「あ、神林さん!一緒にお昼食べない?」

「いいね。どこで食べる?」

「中庭のベンチ!」

「あ、申し訳ない。少し片付けてからでもいいかな?」

「うん!先言って待ってるね!」

「ああ、ゴメンね。すぐ行くから。」


中庭にて


「神林さんって、お弁当は自分で作ってるの?」

「まさか。母親に作ってもらってるよ。」

「そうだよね~。普通そうだよね~・・・」

「どうしたの?」

「私ママから『自分で作ってみたら』って言われててさ~」

「あ!ウチも言われたことある!」

「ああ、なるほど。」

「神林さんはさ、誰かお弁当自分で作ってるって人知ってる?」

「(確か陽葵くんはそうだが・・・)いや、知らないな。」

「だよね~。」

「えてかさ、蘭のお弁当ヘルシー過ぎない?」

「うわ、ほんとじゃん!ささみとか入ってる・・・」

「ふふっ・・・鍛えてるからね。」



────────────────────

5・6限目 芸術(音楽)


「はい!では今回も課題曲の練習です!じゃあ、スタート!あ、私は端っこの方にいるのでね、質問とかしに来てね。」

「…ねえねえ神林さん。ここ、どうやって弾くの?」

「え?うーん・・・私じゃうまく説明できないから、とりあえず先生に聞こうか。」

「あ、そうだね!ごめんね!?時間とっちゃって・・・」

「気にしないで。先生に聞いてもわからなかったらもう一回来なよ。」

「あ・・・うん!」

「・・・蘭さん大人気ですね。」

「ああ、そうらしい。私より君の方がよっぽど上手いんだかな・・・なんなら教えてもらってるのに。」

「それは言わないお約束です。」


・・・・・・


「はい!じゃあ今日は11日だから・・・11番の神林さん!誰かペア好きに決めて良いよ。」

「じゃあ神戸くんで。」

「言うと思いましたよ・・・全く。」

「ゴメンね?」

「はいじゃあ、1、2、3、はい」


♪~♪♪♪~・・・


「上手すぎるんだが!?」

「え二人ともヤバッ」

「いや~私もびっくりだよ。すごいね。」



―――――――――――――――――――



・・・まあ、これが普段の蘭ね。



蘭「普段の私ってこんな感じだったのか。」


彩「案外自分ではわからないものよね。」


華「ね~。あ、どもども。カンペ役の華恋だよ~。そういえばさ~気になったんだけど、なんで四限目なかったの?化学基礎じゃなかったっけ?」


蘭「・・・・・・」


陽「あ~・・・それは、ですね。蘭さん化学が苦手でして。」


華「あーね。んじゃ仕方ないか。てか蘭にも苦手教科あったんだね。」


蘭「ああそうだ!悪いか!?」


彩「だれも悪いなんて言ってないじゃない。むしろ苦手がない方がおかしい

わよ。」


陽「まあまあ。落ち着きましょうよ。」


宗「そうだぞ!落ち着けよ!」


蘭「あ゛?」


宗「ナンデモナイデスハイ」


彩「はぁ・・・全く。あ、宝町君で思い出したんだけど体育の時陽葵くんに触発されてか知らないけど覚醒すんのやめてくれない?ただでさえ強いのにさらに強くなったらもう太刀打ちできないのだけど。」


華「それな~。あ~れやられてる側ほんっとにしんどいんだかんね?」


蘭「あ、ああ・・・わかった。善処する。」


陽「へ~、そんななんですか?」


華「うん。ガチキツイ」


彩「あなたもやられてみたらわかるわ。」


陽「・・・僕もあんまり活躍しない方がいいんでしょうか・・・?」


彩「それは違うわ。」


華「これは蘭の問題だから神戸くんはいつも通りにしてね。」


陽「は、はい。」


宗「・・・そういや、陽葵についてちょっと気になったんだが。」


蘭「貴様に陽葵くんを呼び捨てする権利はない」


宗「うぐ・・・うん?いやでもそれはアンタの決めることじゃねえよ?」


蘭「は?」


華「正論で草」


彩「蘭の負けよ」


蘭「畜生め・・・!」


陽「そ、それで気になることって?」


宗「あ、そうそう。陽葵って自分で弁当作ってるのか?」


華「あ、それはウチも気になったかも。」


陽「あ、はい。作ってます。」


宗「ほへ~・・・すげえな。」


蘭「確か親の弁当の詰め方が嫌いだったから、だったか?」


陽「よく覚えてましたね。」


蘭「陽葵くんのことだから・・・と言えば聞こえはいいが、正直理由が衝撃的すぎて覚えてた。」


彩「詰め方?味付けじゃなくて?」


陽「そうですね。スカスカなんですよ。」


華「あれ?じゃあおかず作ってもらってそれ詰めればよくね?うちそれでやってるよ?」


彩「そうなの?」


蘭「意外だな。」


陽「想像つきませんね。」


宗「びっくりしたぞ。」


華「ウチもしかして全く家事してないって思われてる?」


彩・蘭・陽・宗「うん。」


華「チクショウメーーーーー‼」


・・・・・・


陽「あ、で話を戻すとですね。」


華「さらっと戻されるのも傷つくんだけど?」


陽「スミマセン。」


華「まあいいんだけどさ。」


陽「ありがとうございます。で、改めて話を戻しますとですね、そのおかずを作ってもらってそれを詰めるのはしていた時期もあったんです。」


蘭「既に挑戦済みだったのか。」


陽「はい。でも、親のおかずを作る量が変わるわけじゃないので・・・」


宗「あー、どう頑張ってもスカスカになっちゃうと。」


陽「そうなんですよ。しかもお弁当がいるのは自分だけなので、じゃあ作っちゃった方が早いかなって。」


彩「まあ理屈はわかるわね。私は実行できないけど。」


宗「同じく」


蘭「私もだ。・・・でもあのお弁当美味しそうなんだよな・・・割とヘルシーな具材多いし」


宗「あーあれうまそうだよな~・・・」


蘭「・・・陽葵くんに弁当作ってもらおうかな。」


陽「いいですよ?」


蘭「・・・え!?いいのか!?」


陽「僕と同じ具材でよければ。」


蘭「い、いやいやもう作ってもらえるだけで十分すぎるというか・・・」


彩「・・・ま~たわたわたしてるわよ。」


華「いつものイケメンも形無しだねぇwww」


蘭「え、いくら払えばいい?月二人分の材料費+2万くらいでいいか?」


陽「えぇ!?」


宗「ちょちょちょ落ち着け!?」


華「蘭!ストップ!!」


彩「ちょっとなんて生々しい話ししてるのよ!」


蘭「え、あ、ああ、すまん・・・まさか本当にあのおいしそうな弁当を作ってくれるとは思ってなくて・・・」


彩「まあタダで弁当を作ってもらうのに罪悪感があるのは確かにわかるけど、あなた自分でお金・・・」


蘭「・・・稼いでるぞ?」


彩「稼いでたわ。」


陽「そうなんですか!?」


蘭「ああ。空手大会優勝の経験から、武道具・・・ミットとかプロテクターとかのモニターをして感想を送る仕事をしていてね。」


陽「そんな仕事があるんですね!」


蘭「ああ。だからもし。もし!弁当を作ってくれるのなら、材料費は私から払わせてくれ。」


陽「え、でも・・・」


彩「受け取ってもいいんじゃない?」


華「うん。当然の権利だよ。」


宗「お金を欲しがるのは違うかもしれないが、向こうから払わせてって言われてるんだしさ。」


陽「・・・はい。そうします!」


蘭「じゃあ、契約成立だ。」


宗「・・・でも卵とか1パックに何個も入っているのはどうするんだ?」


蘭「1パックの値段を言ってくれ。」


宗「太っ腹!」


陽「弁当だけに使う卵を用意すればいいだけです。」


彩「・・・ねえアナタ頭いいって言われない?」


陽「少なくとも面と向かっては言われないですね。」


蘭「じゃあ私が言おうか?」


陽「だからなんでそうなるんですか。」



――――――――――――――――――


あれ?これ何の話だっけ?

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