第4話 連絡先交換でドキドキ
うう。ついにこの日が来てしまいました。
今日は学校でオリエンテーションがある日です。
つまり・・・LIME交換し損ねたあの日のリベンジをする日なのです!
今日こそ蘭さんとLIME交換します!正直とんでもなく緊張するとは思いますが男に二言はありません!
やってやりますよぉぉぉ・・・!
無駄にしっかり気合を入れて入念に準備をします。
家族からは『なんであんなに気合入ってるんだろう?』という目で見られましたが、そんなことで気が抜けてはなりません。歯を磨いて、髪と眉を整えて準備完了です。
いざ、出陣です!
キーンコーンカーンコーン
2時間目が終わりました。
結論
まだ言い出せてません・・・!
やっぱりあのイケメンオーラの前には手も足も出ません・・・!
心臓は飛び出そうになるのに・・・!
・・・・・・
悶々としたまま下校時間になってしまいました。
今日はそもそも昼休みがなく4限で終わりなのでなかなかタイミングがつかめませんでした・・・つまり、この下校時間がラストチャンスです!
今蘭さんはタイミングよく、いや、お友達の方がわざわざタイミングを作ってくれたのでしょう。とにかく今蘭さんは一人です。この機を逃す手はありません!
蘭さんも心なしかこちらを気にしているような気がします!
「あっあの・・・蘭さん」
「ん!?ど、どうした陽葵君?」
「え、えぇっと・・・」
うう、やっぱり緊張します・・・
ええい声かけたのにここで日和る馬鹿がいてたまりますか!
「あ、あの!LIME交換してください!」
周りの男子からは『う~わ行きやがったよアイツ馬鹿じゃね』みたいな目で見られているように感じた。女子からは信じられないものを見るような目で見られた。
正直心のHPはガリガリ減ってるけど、何とか耐える。
「・・・・・・」
え、えっと蘭さん?黙ってじ~っとこっちを見られるとこちらとしてもかな~り気まずいというかですねあの。
「えっと・・・ダメでしょうか?」
「・・・・・・はッ!!!???あ、ああいや!私は大丈夫だ!」
「いいんですか!?」
「いいもなにも、むしろこっちからお願いをしようと思ってたんだ。ぜひ交換してほしい!」
そのまま震える手で操作に若干手間取りながらなんとか交換に成功しました。
やった!やった!!蘭さんとLIME交換できた!
「初めての女子の個人LIME・・・えへへ嬉しいです」
「~~~~っ!!!???」
あれ?なぜか蘭さんがすごくびっくりしています。それに顔も赤いような?
「どうしました?」
「え!?あ、い、いいいいや、何でもない、です。はい・・・」
どこが?
と思ってしまいましたが突っ込まない方がいいような気がしたので気にしないことにしました。
「というか私が最初ってことは・・・中学でLIME交換しなかったのか?」
「いえいえグループLIMEとかは持ってました。でも、自分のスマホ持ってなくて。親のを借りてました。」
「ええ!?い、今の時代に珍しい・・・親御さん厳しいのか?」
確かにそう思われてもおかしくないですよね。まあ実際は逆なんですけど。
「いえ?親にはむしろ持っていいんじゃない?って勧められてました。」
「え?・・・じゃあ猶更なんで?」
「親のスマホで事足りてたので必要性を感じなかったからです。」
なんか電話とLIMEとマップとウェブぐらいしか使い道なくて、それならわざわざ自分の持たなくても何とかなる気がして持たなかったんですよね。
「必要性を感じない・・・なんというか、本当に君同い年?」
「そうですけど?」
何を言ってるのでしょう?
「・・・あ、すまない。今日は用事があるんだった。お先に帰らせてもらうね。」
「そうなんですね!じゃあ、また!」
「ああ、また。」
もうちょっと話したかったんですけど・・・まあしょうがないですね。
「帰ったらすぐ連絡しますね!」
「ああ。待ってるぞ!」
よし、今から文章を考えないと!!
―――――――――――――――――――――
つ、ついにこの日が来た・・・!
タイミングはあったにも関わらずライン交換をド忘れするというやらかしをしたあの日から早10日・・・やっとつぎの登校日が来た。
女に二言はない!今日こそLIME交換するぞ!
4限目。
ついに下校時刻まで言い出せなかった・・・!!
情けないし女々しいけど、陽葵君から言い出してくれないかなぁ・・・なんて。
「あっあの・・・蘭さん」
え!?き、来た!?もしかして来てくれた!?
「ん!?ど、どうした陽葵君?」
ああああああキョドりすぎだろ私!しっかりしろ!
「え、えぇっと・・・」
来るか!?来るか!!??
「あ、あの!LIME交換してください!」
「・・・・・・」
きたあああぁぁぁぁぁ!!来てくれたあああぁぁぁぁぁぁ!!
ありがとおおおおおおお!!陽葵君大好きいいいいいいいい!!!
「えっと・・・ダメでしょうか?」
はっ!!?マズい、ぼーっとしていた!!
ほ、ほんとに陽葵からLIME交換を申し出てくれた・・・!!
嬉しすぎる!嬉しすぎる!!陽葵も交換したいって思ってくれてたんだな・・・
「・・・・・・はッ!!!???あ、ああいや!私は大丈夫だ!」
「いいんですか!?」
うおおおおお陽葵のキラキラアイが眩しすぎる!!!
やっぱり純粋に生きてきたのかな・・・その純粋さはずっと持っててほしいなあ。
その純粋さは私が一生をかけて・・・・・・はっ!?わ私はな、なにを言って・・・お付き合いすらしてないのに何を結婚する気でいるんだ!!??
い、いやその前にLIME交換の返事がさきだ!!
「いいもなにも、むしろこっちからお願いをしようと思ってたんだ。ぜひ交換してほしい!」
よ、よし!言えた!!
そのまま二人とも震える手で操作に若干手間取りながらなんとか交換に成功。
やった!やった!!陽葵君とLIME交換できた!
「初めての女子の個人LIME・・・えへへ嬉しいです」
・・・は?
・・・・・・は?
・・・・・・・・・・・は!?
「~~~~っ!!!???」
え!?え!?え!?ウソ!!マジで!?初めてなの!?私が!?
ていうか照れ顔めっちゃかわいいんだが。
いやいやそうじゃなくて!!マジで初めてなの!?え、めっちゃ嬉しいんだけど!!
「どうしました?」
「え!?あ、い、いいいいや、何でもない、です。はい・・・」
ああああああ顔近い!顔近い!!おかけで完全に挙動不審の人間じゃないか!
変に敬語になっちゃったし!!うわああああああ落ち着け落ち着け!!
でも、初めてってことは中学生の時誰とも交換しなかったのかな・・・?
いやいや、『個人LIME』だからグループLIMEとか男子のLIMEは持ってたけど、女子とは交換しなかった、ってことか。
「というか私が最初ってことは・・・中学でLIME交換しなかったのか?」
「いえいえグループLIMEとかは持ってました。でも、自分のスマホ持ってなくて。親のを借りてました。」
「ええ!?い、今の時代に珍しい・・・親御さん厳しいのか?」
私さえそんなこと言われなかったのに・・・よほど厳しい環境で育てられたのかな?
教育ママ、ってやつか?いや、それはないか。そんな環境で育てられた人間がこんな純粋でかわいいわけがない。
「いえ?親にはむしろ持っていいんじゃない?って勧められてました。」
むしろ勧められてたのか!?ええ・・・
「え?・・・じゃあ猶更なんで?」
「親のスマホで事足りてたので必要性を感じなかったからです。」
必要性を感じない・・・か。なんっか言葉使いが大人びてるなあ
「必要性を感じない・・・なんというか、本当に君同い年?」
あ、口滑っちゃった。
「そうですけど?」
何を言ってるのでしょう?とかおもってるんだろうなぁ。
私だって思ってるよ。15歳かあっても16歳だろうなんで聞いたんだよ・・・
というか今日は・・・あ!忘れてた
「・・・あ、すまない。今日は用事があるんだった。お先に帰らせてもらうね。」
「そうなんですね!じゃあ、また!」
「ああ、また。」
もうちょっと話したかったんだが・・・仕方がない。
「帰ったらすぐ連絡しますね!」
「ああ。待ってるぞ!」
よーし用事一瞬で終わらせるぞぉぉぉぉぉぉ!!
――――――――――――――――――――――――
この後は0章としてLIMEの会話を今から書きますのでお楽しみに!
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