Tracheostomy
――
それは火箱風花にとって、予想だにしない事態だった。
覚えた動揺は恐怖によって芽生えたものではない。
だめだ。この声は、絶対のものでなくてはならない。
条件さえ満たせばあらゆる命を無慈悲に奪う……奪ってしまう、そういうものでなければならないのだ。
なのに。未だ自分の声を受けたこの怪人は、死ぬどころか体調不良一つ訴えることなくそこに立っていた。
「君の足元に、無数の犬が纏わりついているのが見える。
普段は何も感じなかったから、平時は君の内側にでも隠れているのかな。
驚いたよ。まさか君がそんなものを宿しているとは――うん、もう何年か前に出会いたかった。そしたら私の人生は多少変わっていたかもしれない」
「……なん、で。どうして、この"声"が――」
「どうして効かないのか、と言いたいのかな。
そう難しい話でもないよ。私は人間ではないんだ。少なくとも君や泡野さんのような、この世界に居るべき人間ではない。
生きる世界の位相が違うんだ。地獄の住人に、人間道からの声は届かない」
何を言っているのか分からない。
理由になっているとはとても思えない妄言だったが、それが現に声枯らしを弾く不条理を引き起こしているのだからおかしくなりそうだった。
八朔冬美は生物学的にはれっきとした人間である。
だが、彼女の性自認ならぬ生自認はそうではない。
生きながらにただ一人、孤独の地獄に落とされた流浪の旅人。
真の意味での"人でなし"。思うがままに人を喰み、地獄を謳歌する怪物。
そう――怪物なのだ。人ではない。己はそういうものではない。
一つの悟りにも等しい強く揺るがぬその認識が、現実に彼女を怪物たらしめた。
人なら必ず殺すと銘打ったものを、我は人にあらじと悠然と弾けるほどに。
それは悪い冗談のような所業であり、生き様。
人間が心根一つで怪の領域に足を踏み入れてのけたという、恐るべき悪夢だった。
「それにしても凄い力だね。見たところ、使うことにも慣れているみたいだ」
「っ、あ……」
「そんなに動揺しなくてもいいのに。自分の人生そのものを否定されたわけでもあるまいし」
薄闇の中に、白い女が立っている。
死の運命を跳ね除けて、冬の新雪のように冷たい顔で笑っている。
まごうことなく、女は怪物だった。
火箱風花、声枯らし――犬神憑きの少女にとっても、決して例外ではなかった。
「それとも、そんなに駄目なのかな。
その声を受けて生きている人間が居ることは、君にとってそんなにも許せないのか」
「ふ……風花さんっ、逃げましょう! 早くしないと、風花さんまで――」
「無駄だよ。その子は逃げられないだろう。
存在証明の否定というのは、周りの人間には想像もできないほど鋭い痛みを伴うものだ。
積み上げてきたもの、背負ってきたもの。その重さを否定されることに、人間という生き物は驚くほど敏感だから」
慌てふためく迷依をよそに。
呆然と目の前の現実を理解しきれずに立ち尽くす風花の頭の中を過ぎる記憶が一つあった。
それは、高嶺来瑠はおろか。小綿詩述と出会うよりも更に前の記憶。
まだ、この力が風花にとって理解と自覚の外にあった頃の。
『風花は、幸せに生きていいんだ』
――これは、誰の声だったろうか。
幼い頃から引っ込み思案だった自分の手を引いて、いつも楽しいところに連れ出してくれるこの人のことが大好きだった気がする。
いつも明るくて楽しくて、だけど一人でいるのが好きな自分のことを決して否定しないでいてくれた優しいひと。
『大昔の罪やしがらみに囚われて生きるのは、もう終わりにしましょう。
私達の子。大好きな風花。
あなたがいつか満天の笑顔で、遠いどこかに駆け出していけるように』
――これは、誰の声だったろうか。
幼稚園や近所の公園で意地悪をされて帰ってきた時、そっと抱きしめて頭を撫でてくれたこの人のことが大好きだった気がする。
誰よりも穏やかできれいで、いつかこんな大人になってみたいと幼心にずっと憧れていた温かいひと。
『大丈夫だ。■父さ■が、ついてるから』
『泣かないで。■母■んが、ずっと手を握っててあげる』
私は――この人達のことが好きだった。
たぶん世界の何よりも、大好きだった。
どこもかしこも怖くて息苦しいこの世界の中で、この人達だけが優しく輝いていたのを覚えている。
この人達は、誰だったんだっけ。
この人達は、どこにいってしまったんだっけ。
ぐるぐると頭の中を巡る、封じ込めていた記憶の断片。
流転の果てに頭の中へ広がったのは。
見覚えのある畳の上で、真っ赤に染まって倒れている二人の姿だった。
「いい顔をするじゃないか」
に、と。
真っ赤な紅を引いた口が、三日月を象る。
風花は、口元に手を当てて身体を折り曲げていた。
吐き気がする筈なのにせり上がってくるものはない。その代わり、ただひたすらに身体が寒気を訴えていた。
自分の中にずっとあった支柱のようなものが、おもむろに抜き取られてしまったような。あるいはぽっかりと穴が開いてしまったかのような喪失感。
「狐は家に憑く。狸は人に憑く。しかし犬は、人が自ら憑かせる呪いだ。
神だなんて呼称するのは、その罪悪感を少しでも軽減するための浅ましい慰めなのかもしれないね。
歩みを進めた八朔冬美が、そっと静かに手を伸ばす。
今、風花はまさに蛇に睨まれた蛙だった。
抗う術もなくその手に触れられ、頭を優しく撫でられる。
ぞくりとするような冷たい体温が、おぞましい優しさを通して伝わってくる。
透明な唾液を、つう、と上下の歯の間に引かせて。
そして怪物は、声枯らし――犬神憑きの少女の傷口を、両手でべりべりと押し広げてしまった。
「殺したんだね、家族を」
「……っ……!」
「そしてその動揺ぶりからするに、君は家族のことが好きだったんだろう。
大好きな人達を、他の誰でもない自分自身の
だからこそ自分の声は絶対でなければならない。万人を等しく殺す、死神の声でなければならない。
なんとも涙ぐましいことじゃないか。個人的にはとても好ましいよ、そういうのは」
とても、お腹がすく。
彼女がそうまで言ったところで、風花の手が勢いよく引かれた。
八朔によってではない。傍らで何がなんだか分からないまま、事の行く末を見守るしかできずにいた迷依が手を引いた。
「……行きましょ、風花さん!」
迷依は必死の形相を浮かべて、風花の腕を引っ張った。
その様子に、ようやく現実に引き戻されてはっとする。
怪物に傷口を開かれ。直接触れられ。そのまま腹の中に収められかけていたところを、少女の手がなんとか引っ張り出してくれた。
そんな風花の手を掴んだまま、迷依はもう無我夢中で駆け出していた。
「何を言ってるんだか正直さっぱり一ミリたりともわかりませんでしたけど、なんか失敗したんですよね!?
だったらもう逃げましょっ、これ以上はぜっったいだめです!!」
泡野迷依という少女は、基本的に馬鹿である。
周りの人間は誰もが口を揃えて彼女を阿呆というが、それは決して間違いじゃない。
すべてにおいて短絡的。そのくせ自分の判断に常に根拠のない自信を抱いているから躊躇いというものが一切ない。
そんな性格が、彼女を安穏とした日常から愛憎ひしめく校内戦争の渦中へ転げ落ちさせる要因となったのだったが、しかし今ばかりはその短絡が功を奏した。
自分じゃどうしようもない怪物が相手なら、逃げればいい。何も考えず、ただ突っ走ってとんずらこけばいいのだ。
――もしも、昨日のあの時をやり直せるならば。
きっとそれが最善手であり、唯一救いを得る手立てであったことを、迷依はよく知っていたから。
「っ、駄目、泡野さん! まだ、このままじゃ……!!」
「いいんですっ、風花さんでだめなら私達じゃどの道何もできませんって! 荒事はあの人に任せた方が絶対いいです!!」
風花がそれを嫌がるだろうことは分かっていた。
控えている来瑠を置いて逃げることになれば、彼女に危険が及ぶかもしれない。
迷依もそのことは分かっている。だけどあのまま、友達が傷付けられ続ける光景を黙って見ているのは嫌だった。
拠り所のない自分に手を差し伸べてくれた、居場所をくれた友達。
そんな彼女が痛々しく孤独に苦しんでいる姿など、見たくはなかったから。
だから彼女は走り出した。
フラッシュバックする昨日の記憶をなんとか振り払いながら、ちら、と一度だけ振り返って。
(大丈夫、だよね……来瑠さんなら……)
廊下を走る足音だけが響く薄暗い空間の中。
取り残す形になってしまったもうひとりの友達――と呼ぶには、まだ少し怖いけど――のことを想った。
大丈夫だ。きっと大丈夫。来瑠さんは強い。
そう自分に言い聞かせながら、迷依はただ走るのだった。
◆◆
「人の連れに手出さないでもらえますか、先生」
迷依が風花を連れて逃げ出すなり、すぐさま隠れていた来瑠はスマートフォンを片手に姿を現した。
――正直、予想外の事態ではあった。
風花の声で殺せない人間が現れたことも、迷依があの場で風花共々逃げ出すことも。
ただ、むしろこの展開は彼女にとって都合が良かった。
あれ以上、この穢らわしい女の声を自分の風花に聞かせたくはなかったからだ。
そういう意味では迷依に対しても、よくやったとさえ思っている。風花考案の懐柔作戦は、やっぱり無駄じゃなかったというわけか。
「なかなかひどいな。いるんだろうとは思ってたけど」
そんな来瑠に対して、八朔は苦笑しながら肩を竦めた。
「校内戦争まがいのことをしてでも手に入れようと執着した女の子が、人でなしの大人に心を切開されていく様子を黙って見ているなんて」
「私のふーちゃんはそんなやわな女じゃないので」
半分本音で、半分は強がりだ。
風花はあれで意外と図太いところがある。
思い出したくない過去を切開されたからって、そう容易く壊れはしないだろうと来瑠はそう思っていた。
その一方で――心はもちろん、穏やかじゃない。
よくも。
よくも、私のモノに触れたなと。
湧き上がるどす黒い感情を抑え込むように、ぐっと拳を握る。
自分が主導する加虐ならばいい。それは、私と彼女の対話だから。
取り巻きや周りの有象無象さえも道具にしてけしかける、自分と風花の営みの形だから。
けれど。そうではない部外者が好き勝手働くというのならば、話はまったく別だ。
その怒りを露にする代わりに。
来瑠は、ありったけの敵意を込めて八朔へ微笑んだ。
自分の気持ちを押し殺すための仮面としてではなく、本当に自然に浮かび上がった笑顔で。
「それにしても、私知りませんでした。八朔先生が前科持ちの性犯罪者だったなんて」
「差別的だね。この国の司法は犯罪者の更生を応援しているんだよ」
「もっともらしいことを言わないでくださいよ、ロリコンの変態教師の癖に」
ぴくり、と八朔の眉根が僅かに動く。
構うものか。こっちだって、我慢の限界なのだ。
今までは耐えてきた。今は出ていく場面じゃないと、自分を諌めていた。
その結果がこの最悪の気分だ。ツケは支払わせてやらないと、とてもじゃないが気が済まない。
「これ、分かりますよね。録音アプリです」
こいつは潰す。
そう強く決意する一方で、しかし来瑠は冷静でもあった。
「前科持ちの淫行女が生徒をこうして追い詰めてる光景。事の仔細は伝わらなくても、周りの先生方に問題視してもらうには十分すぎると思いませんか?」
録音が完了した旨のメッセージが表示されたスマートフォンを突き付けながら、舌を動かす。
本当なら今すぐにでも殴りかかりたい気分だったが、それをしたところで得られるものは少ない。
ただ一時の憂さを晴らすために要らないリスクを背負うくらいならば、此処はぐっと堪えるべきだと自分を諌めた。
「ましてや先生には、探られたくない腹がありますよね。
私、ほんとに失望しちゃいました。
あんなに小さくて無害そうな子に無理矢理そんなことして、消えないトラウマ背負わせて。泡野さん、昨日可哀想なくらい震えて泣いてたんですよ? 人の心とかないんですか?」
「御託はいいよ、手短にいこう。君の目的は?」
「私達から手を引いてほしい。それがまず一つ」
八朔は、何も突然無から湧いて出た敵ではない。
そもそも日常の中にこんな怪人が潜んでいた事実がまず恐ろしいと言えばそれはそうなのだが、その矛先を恣意的にこっちへ誘導してきた奴がいる。
来瑠の見据える敵はあくまでもそいつだ。
八朔冬美などという性的に倒錯した怪人ではない。
だからこそ要求のもう一つは、言うまでもなく決まっていた。
「欲張りだね。もう一つは?」
「小綿詩述を潰してください。やり方は先生に任せます」
陣営の鞍替え。
食欲に奔放なおぞましい怪物へ、美味しい餌があるぞと嘯いた魔女への呪詛返し。
即ち、小綿詩述への反目。
それを、此処で来瑠は憎い八朔へと要求した。
「八朔先生の性癖を存分に満たしてくれていいです。泡野さんみたいな小さい子でたっぷり楽しめる先生なら、あいつもちゃんとタイプでしょ?」
部外者の分際で、穢れた人間の分際で、自分の所有物に粉をかけたこと。
それに対する怒りはもちろんあるし、いずれ必ず潰してやると決意したのも嘘じゃない。
だが今、最優先で潰すべきは彼女ではなく、彼女をこちらへけしかけてきた黒幕だ。
小綿詩述を潰す。自分達をどうにかするために雇ったのだろうこの怪物を使って、あのいけ好かないストーカー女のすべてを奪ってやる。
来瑠の要求に対し、八朔はしばらく何も答えなかった。ただじっと見つめてくるだけだ。
やがて口を開くと、もう一度苦笑しながら彼女は言う。
「やっぱり怖いね、君は」
「犯罪者には言われたくないです」
「君はあれだね。自分が関心のない相手のことは本当にどうでもいいんだな。
だから他人をいじめ殺した呵責に苦しむこともないし、敵とはいえ同い年の女の子を簡単に性犯罪者に差し出せる」
別に否定するつもりもない。
その通りだし、それを悪徳だとも思っていない。
それの何が悪いと、来瑠は本気でそう考えている。
興味もない、魅力もない他人の心根にいちいち気を配って生きるなんて慈善事業じみた人生にうつつを抜かすつもりはなかった。
自分の世界に必要なのは他ならぬ自分自身と、それが見初めた数少ない例外だけでいい。
後はすべて添え物。金魚の糞も同然なのだと、来瑠は決して揺るがぬ精神性で信じていた。
「その精神性は個人的には親近感が湧くけれど、しかし答えはノーだ。
確かに彼女達も魅力的だが、私の中では今のところ君達の方が"そそる"のでね」
そんな来瑠に、八朔は否を返す。
来瑠の顔が不快げに歪んだ。
それをよそに、怪物は続ける。
「特に火箱さん、彼女はいいね」
その言葉に――来瑠は、自身の逆鱗を羽毛でなぞられたような明確な怒りを覚えずにはいられなかった。
陶然とした様子でうっとりと呟く女に、こんな人間に大事な風花の名前を呼ばれている事実に、視界と思考が沸騰するのを堪えられない。
「とてもいい」
「ぶっ殺しますよ。今すぐその口閉じてくれます?」
ドスの利いた声で吐いた来瑠に対し、八朔は怯んだ様子もなく笑っている。
まるで、こう言えば彼女がどういう反応をするのか分かっていたかのように。
むしろこの展開を歓迎しているようにさえ見えるのは気のせいか。
そんな薄笑いに募らせた苛立ちを発散するように、来瑠は言った。
「勘違いしてませんか? あんたに選択権はないんです。頷かなかったら、泡野さんを使ってすぐにあんたのやったことを告発しますよ」
「確かにそれは、私にとって多少面倒だけどね。
君は人を貶めることを考えるより、自分のこれからについて頭を巡らした方がいいと思うよ」
――八朔の言葉に、来瑠が沈黙する。
浮かぶのは疑念。こいつは、何を言っている?
「……どういうことですか」
それを率直に問うた来瑠に対して、八朔が返す答えもまた率直だった。
「どうもこうもない。君が火箱さんにしていたことを、ついさっき職員会議で議題にしてきたんだ」
「────っ!」
……此処で来瑠は、否応なしに理解させられる。
詩述が八朔冬美という人間を味方につけたのは、何もその精神の異常性のみを見てのことではないのだと。
彼女はそれを買うと同時に、それ以上に八朔が持つ"教師"という立場にこそ目を付けていたのだと。
事此処に至ってようやく理解したが、既にすべては遅かった。
学校という箱庭の中で神として君臨するのは、スクールカーストのトップなんかじゃない。
そんな彼女達をも教え導く、そういう役割を国によって与えられている――教師達なのだから。
「君は悠長に相手の動きを待ってるんじゃなくて自分から仕掛けるべきだったね。
それこそ闇討ちでも何でもして、さっさと片を付けにかかるべきだった。
大人を舐めちゃいけないよ。本気になったら子供の浅知恵も戦略も、簡単にこうして踏み潰してしまえるんだ」
――それは、あまりにも無情な現実。
来瑠は今、己の甘さを痛烈に突き付けられた気分になっていた。
「おまけに、名前は明かせないけどとある生徒から君に暴力を振るわれたという相談も入ってる。問題にするには充分すぎるだろう」
詩述は八朔を手中に収めるにあたって、此処まで織り込み済みで行動していたのだと確信する。
子供を食べるという目に付きやすい特徴でカモフラージュして、教師が味方につくことの本当の恐ろしさを巧妙に隠す。
暴力で屈服させられた意趣返しのように。詩述は知恵で、来瑠を欺き陥れてのけたのだ。
「そういうわけで、明日の学校を楽しみにしているといいよ」
「……前科持ちの犯罪教師の言うことなんて、誰が」
「それはお互い様だろう。人の命を奪った過去のある君の方こそ、誰にも信用されないんじゃないかな」
これもまた、逃げ場を与えない正論だった。
そうだ。高嶺来瑠は、人のことを言えるようなクリーンな人間ではない。
この歳になるまで、一度たりとも休むことなく続けてきたいじめ。
校内暴力の限りを尽くし、この世を去る者さえ出してきたその悪徳。
公的に罰を与えられてこそいないものの。小綿詩述がそうだったように、探るところを探ればその全貌へ辿り着くのは決して困難なことではないのだ。
――そんな人間の言うことを。
そんな人間の、主張を。
一体何処の誰が、信じてくれるというのだろう?
「まあ、安心しなさい。私はこれでも生徒に対する面倒見はいい方で通っているからね」
怪物が笑っている。
薄闇の教室の中で。
厭に背の高い、細長い女が嗤っている。
「行き場がなくなっても、しっかり最後まで面倒見てあげるとも」
怪物からは逃れられない。
何故なら
来瑠は子供で。
何処まで逃げても、何をしても――結局最初から最後まで、舌なめずりしながら見下ろす怪物の前に並べられた皿の上。
――――
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