第六十七話 明かされる真相3
『《
「それで……クレアは、一人で最下層にいたのか」
『そういうことだ。十分な時間を掛けてパワーを貯め、ダンジョンの崩壊を可能にした後、隠密系スキルを解除。お前がちょうどその場所に着くタイミングに合わせて、スライムにクレアを襲わせた。お前が、クレアを助けたいと思うようにな』
「ちょっ……じゃあ、あのラッキースケベは意図的に起こしたの!?」
流石にそれは、ごちそうさ……いや、けしからん。
シスコンだからって、スライムのネバネバで妹(ただし別人格)を苦しませるなんて。
いや、そのことも十分問題だが、それよりももっと問い詰めなければいけないことがある。
「待てよ。つまり、僕がクレアと接触することも、この場に連れてくることも……全て最初から仕組まれてたってこと?」
『察しが良いな。その通りだ。俺はクレアを
「なんだって……?」
一杯食わされた。
確かに、この男は前にも
だが、それはあくまでクレアの身体を治すのに効率がいいから、という名目だった。
言いくるめられたことに他ならない、それを理解する。
『それにだ。
「より計画を盤石にするため、単身最凶と唄われる迷宮に踏み込んだ、と?」
『ああ』
こいつはこいつで、狂った覚悟の持ち主だな。
そう思わずにはいられなかった。
「……一つ、聞きたいことがある」
『なんだ』
「お前は、僕がクレアを連れてここにくるよう仕向けたんだよね?」
『その通りだが、それが?』
「外の世界に出たあと、クレアが苦しんだのはなぜ? 苦しむよう呪い系のスキルを付与した……とも考えられないし」
仮にもシスコン(笑)であるこの男が、事実上別人とはいえ苦しませるような呪いをかけるか?
それに、もし外の世界では生きられない呪いをかけたなら、このダンジョンに入った瞬間息を吹き返していないとおかしい。
『勘が鋭いな。別に呪いを掛けていたわけじゃない。どのみち、あの前後のタイミングでクレアの身体に限界が来ることはわかっていた。大量に貯蓄したエネルギーが、徐々に彼女の肉体を蝕んでいて、お前がクレアを外に連れ出した辺りのタイミングで一定の閾値を超えたんだ』
要するに、あの症状はなるべくしてなったということ。
そして――今も、クレアの身体に溜まった大量のエネルギーが、内側から彼女の身体を蝕んでいると言うこと。
「クレア!」
僕は、エナが背負ったクレアを見る。
顔色はすでに真っ青。
正直、もう彼女の身体は保たない……そんな雰囲気。
『クレアも相当耐えているな。そろそろ楽にしてやらねば……』
「シスコンのくせに、やってることは鬼畜だな、あんた」
『否定はしない。だが、これは俺の復讐であると同時に、クレア自身の復讐でもあるんだ。殺されたのは、他の誰でもない、クレア自身なんだから』
「くっ」
言っていることは理解できる。
だが……正しいとは言えない。
『さて……話も済んだことだし、奏でようか。俺の復讐の
両手を広げ、
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