デートなの…?

「絵理おはよ〜。昨日はどうだった?」

絵理が教室に入ると、るんるんで愛花が聞いてきた。

「…別に何にもないよ」

「え?そうなの?でも、手つないで帰ってったから」

「いや…。私の足が痺れてて。たまたまそんな感じになっただけで」

「でも嬉しかったでしょ?」

「…うーん…。わかんない…」

「お、否定はしないんだぁ」

愛花はからかうように言った。

「…来週ね、一緒に水族館行こうって誘われて…」

「えー!デートじゃん!すごーい!」

「デートな…の?」

「デートでしょ!」

「デート…、かぁ」

絵理は顔は赤くなった顔を手で触った。

「可愛いー」

愛花は絵理を抱きしめた。



次の週、学校が終わって門を出た所で、パブロが待ってた。

絵理に気がついた、パブロは手を振ってきた。

絵理も振り返した。


「ごめん、待たせて」

絵理は、小走りしたからか、それとも恥ずかしいのか、顔が赤くなる。

「大丈夫。結構待ったけど」

パブロは笑う。

「じゃ、行こっか。俺、水族館って初めてなんだよね。楽しみ♪」




「うっわー!すげー!」

どの水槽を見ても、パブロは同じ事を言って、大興奮していた。


「絵理、この水槽に手いれて」

パブロが言っているのは、ドクターフィッシュの小さな水槽だ。

手を入れると、複数のドクターフィッシュが突付いてくれて、古い角質を食べてくれる。

「え、何?これ」

絵理はそっと手を入れた

小さな魚が一斉に集まって、絵理の手をツンツンつつく。

「わっ、何これ。かわいい」

「そうなの?じゃ、やろ」

「…おいっ。私を実験台にしたな…。最悪」

「ん?…おおっ、すごい」

絵理は、怒ってパブロを睨んだ。


絵理はそれから不機嫌になった。

それを見てパブロは少し焦った。

「あ…、じゃ、アイス買ってあげるから…」

「子供かっ」

絵理は笑った。

「じゃ、ダブルでね。アイス、あっちだ。行こ」

絵理は早足で前を歩く。

パブロは絵理の後ろ姿になんとなく見とれた。

「パブロ、あったよ」

絵理は、ふり返っていった。

(子供…)

パブロは少し笑って、絵理の方へ行った。




「あ、俺、イルカショー見たいんだった!まだやってるかな」

「んーと…。あ、ちょうど、今からだ」

「絵理!走ろ!」

パブロは1人でダッシュで行った。

(子供…)

なんとか、ショーに間に合った。

「おー!すごい!」

「ね。こんな高く飛ぶんだね!」

イルカのショーは2人ともすごく感動した。

ショーが終わっても、話は尽きなかった。

「イルカ、すごかったぁ!!」

「うん。可愛かったね〜」


帰り道も、興奮しながら感想を言い合ってた。

「アザラシも良かったな〜」

「パブロ、結構可愛いの好きなんだね」

「うん。でもサメも良かったなぁ。カッコよくて…」

「ペンギンも良かったよね。お腹プリンッとしてるところが」

「マニアックだね」

「そうかなぁ」


「今度、孝司も一緒に水族館に行きたいね」

絵理はパブロに提案した。

「うん…。そうだね…」

「?」


家にもうすぐ着くって所で、急に豪雨になった。

「うわっ!!絵理走ろ!」

「うん!!」

2人はは走って家に帰ったけど、びしょ濡れで、体も一気に冷えて、鼻もムズムズしてきた。

「雨すごかったな。絵理お風呂入ってきなよ。俺、後でいいから」

「うん、ありがとう。じゃ、お先に。」


「パブロ、お風呂空いたよー」

「…ん。眠いからもういいや。おやすみ…」

パブロは部屋に行ってしまった。

「絶対、風邪引くよー!」

絵理は大きな声で言った。

「大丈夫ー!」

元気な返事が返ってきた。

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