第2話 遡ること一週間前

わたしの名前は松雪六花りっか

高校二年生だ。

スマホでゲームをしていると中三の妹、未来みき

「おねーちゃん!雪だよ!!」

と、はしゃいだ声を上げた。

「ほんとだ。初雪ね!」

今年入って初めての雪だ。

雪が降るとなぜかテンションが上がる。

「ふふふ、はしゃいじゃって」

お母さんが微笑ましいという様子で洗濯物を畳む。

「外で遊ぼうよ!」

幼い頃の未来を彷彿とさせる無邪気な笑顔に

つられて笑顔になる。

「そうね!」

「やった!行こ行こ!」

それぞれ、コートを羽織り、未来が私の手を引っ張り玄関へ連れて行く。

「「お父さん、お母さん行ってきまーす」」

声を上げると2人は「いってらっしゃい」

と微笑んだ。


「わぁっ、すごいね!こんなに降り積もってる!」


家の近くを散歩していると未来が笑顔で

両腕を広げ二回ほど回転した。

「そうね。……ふふっ、小さい頃はよく

雪だるまを作ったり、雪合戦していたわよね」

懐かしい記憶が蘇る。

未来は「そうだね!」と微笑んだ。

「雪だるまのスノゥくん、覚えてる?」

スノゥくんは幼い頃、二人で作った雪だるま。

わたしの赤いマフラーを巻いてあげたのよね。

あれから何日か後に様子を見に行ったら

スノゥくんは消えていたけど。

「もちろん、覚えてる!二人で一緒に

作ったよね!設定は男の子で

いちごが大好き。だったよね」

私は頷く。

懐かしいなぁ。

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