雪だるまのスノゥくん

藤川みはな

第1話 雪だけが知っている


純白の雪が降り積もる。

大粒の雪はゆっくりと落ちていく。

息を吐くと

白い空気が透明な空気と混じり合う。


このままこの雪のように

溶けていなくなりたい。


わたしはマフラーを少し上げて

歩き出した。

行くあてもなくフラフラと。


わたしは……

わたしは妹を……


どうすればいい?

泣きそうになる。

病室で眠る妹を思い胸が苦しくなる。

わたしは天を仰ぎ、目を瞑る。

涙が溢れないように。


目を閉じると浮かび上がる

妹の笑顔。


目をゆっくり開ける。


罪悪感で胸がいっぱいになりしゃがみ込んだ。

「ごめんね未来」

嗚咽を漏らす。


悲しみと罪悪感は降り積もる。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る