妖精
プラさんと話をする為、少し広い場所で俺は床にそのまま座って話を聞いている。
「私達が分かっているのは、私達はここで生まれ、ここで死んでいく。だからここでの生活についての話ならできると思う」
俺は何か分かるかもしれないと思い話を続けてもらった。
「あぁ。聞かせて欲しい」
「まず、私達は妖精種と呼ばれる種族で貴方達異人と比べれば小さな存在だ。ご覧の通りに自由に空中を飛ぶことが可能だ。そして、少しなら魔法も使う事が出来る。普段はさっき私達が乗っていた機械に触れると水や食料が出てくるので、それで生活をしている」
「地上に行くにはどうしたらいい?」
「特殊な扉があるのだが、そこには門番が居る。それを倒せば下へ降りる階段があるのだが…」
俺はプラさんの顔を怪訝そうに見て呟いた。
「だが…?」
「一度降りた者が、戻って来たことはない…。だから本当にその扉が地上へ繋がっているのかも不明だし、下がどうなっているのかも分からない」
「戻って来たことはない?」
「言葉通りの意味だ。上からは貴方のような異人が降りてくる事があったが、今まで妖精種、異人、共に降りるのを見送ってきたが下から上がって来た者はいない」
そして私達妖精が昔から言い伝えられている話がある。
「異人が来た際に機械の使い方を教えてあげて」
これは私達妖精族がはるか昔から受け継がれている言葉です。
俺は納得できない部分や理解出来ない部分も色々とあるが、飲み込んでひとまずその機械について話を訪ねた。
「まずは、その機械の使い方を教えて貰ってもいいですか?」
プラは自身の後ろにいる他の妖精へと顔を向けると、後ろから最初に話をした小さな女の子の妖精が飛んできた。
プラさんはその妖精に対して話をした。
「恐らくお前が一番適任だろう。みんなお前の望みも分かっているから説明をして差し上げなさい」
小さな女の子の妖精は俺に向かって小さくお辞儀をして挨拶をしてくれた。
「セイさん。私はルフと言います。機械の使い方や他の事も私が教えます。なので、まずは機械まで案内しますね!」
「よろしくお願いします。それとセイでいいよ。俺もルフと呼ばせて貰う」
ルフは小さく羽ばたき、俺の肩の上に乗り目的地の方向を指さした。
「セイ宜しくね!じゃあ、あっちに向かってくれる?」
妙に馴れ馴れしい感じはあるが、まあいいかと思い返事をした。
「ああ。わかった」
互いの挨拶が終わった後にプラさんが俺とルフに向かって話しかけて来た。
「色々聞きたいことがあれば、ルフに尋ねてください。それでは私達はこれで一旦失礼します」
プラさんと他の妖精達はそのまま俺達とは一旦別れた。
それから俺はルフの案内で少し離れた場所にある機械の元へと向かった。
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