再会
「あら」「あ、イザベラさん」
あの邂逅から一周間ほど経った時、偶然にも農業部がある建物でベンと再会した。今日は髪の毛は跳ねておらず、心持ち背筋も伸びている気がする。
今まで出会わなかったのでびっくりした。
彼も驚いたようで緑色の目を丸くしている。
「えーと、あの後、お風邪は大丈夫でした?」
とりあえず、あたり触りのない話題を。
「はい、お陰様で。ピンピンしてます」
「そう、それはよかったです。」
「イザベラさんは、ここをよく通られるんですか?」
「いいえ、今日は偶然。年に数回だけある会議の手伝いでここまで。そろそろ行きますね」
「はい、お疲れ様です」
そうしてベンと会釈しながら通りすぎる。これってすごく「普通の人」っぽい。私はいつも「厳しい人」って恐れられているから、こういう経験、あまりないのだ。少し嬉
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