自閉スペクトラム症と双極性障害(前編)
本文の前に
5月以降ですかね、更新が止まっていて申し訳無かったです。
レビューまでして下さって嬉しいです。
まさか、通知が来るとは思いませんでした・・・・・・!
*
2021年、私は初めて心療内科という場所に足を運んだ。家から徒歩15分程度の場所にある二階建てのクリニックだ。
市街地に引っ越す前は、精神科とは無縁で、まさか私が当事者だとも知らずに過ごしていた。
その当時、コロナ渦だというのにクリニックは混んでいて、初診の予約が取れても数ヶ月後という状態だったのを覚えている。そんなに人気のあるクリニックなのかと、少し期待していた。
そして、ようやくその日がやってきた。
まずは、診察室に呼ばれて、体重測定と血圧測定を行った。これをやるのにはちゃんとした理由がある。体重は、うつ病や摂食障害の疑いがあるか無いか。血圧測定は、体重に該当するものや単純に平均的かどうかである。測定し終わって大丈夫だとわかると、今度はどれくらい症状が見られるかの問診票を記入する。何が書かれていたかはあまり記憶に無いが、鬱っぽさがあるかどうかの内容だったと思われる。そして、気になる事をその他の欄に記入する事だ。
それから暫く待って、初診だったという事もあり、夕方から夜にかけての時間帯だったと思う。そこで院長と話をして、帰り際に貰ったのは家で書いてくるちょっとした検査だった。数枚配布され、次来る時に持ってきてと言われたので、家に帰った後すぐにやった。
配布されたのは、発達障害の検査などである。その当時は、私がまさか当事者だとは知らずに、多分大丈夫だろうという軽い気持ちだった。何故か、過去にどういう自分だったか覚えていなくて、本当に診断が出るまで「一般人」だと思っていたのである。
診断が出たのは、2022年の事。
こんなに時間がかかるとはと、当時はイライラしながらまだかと待っていた。
だが、発達障害は診断が出るまでに時間を要すると後に知ったのだ。というのは、ADHD(注意・欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症/アスペルガー症候群)、LD(学習障害)という三つは併発している事が多く、どれかという判断もつけづらいという。ホッチキスで止められたその診断書には、自閉スペクトラム傾向と太い文字で書かれていた。傾向とは何か、所謂グレーゾーンと呼ばれるもので、ある程度傾向があると記される。定形的な発達障害とは違い、少しその要素があるという意味である。それは人それぞれ違いがあり、私の場合は数学/算数・運動系が出来ない、自分からは話さない、他人に関心が無いなどが挙げられる。しかし、表情は無表情かと言われると違って、普通にしていれば、自閉スペクトラム症だと気付かれない。グレーゾーンの欠点は、誰にも理解して貰えないという事である。言わないと「そうなんだ」と理解して貰えず、相手によっては「え、全然そう見えない」と返ってくる。それが、一番生きづらい返答だ。発達障害は先天的であり、後天的では無い。生まれてからすぐ気づく場合もあったり、傾向の場合は思春期あたりからという事もある。どうして発達障害として生まれてくるのかは、あまりわかっていないらしい。
中には、才能を見出して活躍する有名人も少なくは無い。何せよ、発達障害の人は世の中に数えきれない程いる。うつ病と同じように、検査を受けていない人の中にもいるかもしれないのだ。
2023年、某日。
私は、気になる症状があり、両親の都合により三ヶ月程通院をしていなかった日の事だ。久しぶりに電話で予約をした。看護師に「ちょっと気になる事があって、調べて欲しい」とお願いした。
六月某日、私は院長にこれまでの症状を書いたメモを見せた。その中に、どう書いていたかというと、「イライラする」など何日か不安定だった。私は大体自分の症状に目星がついていた。
「これ、躁鬱ですよね」
「うん、躁鬱だね」
「やっぱりですか」
続く
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