第247庫 マジで?

「うぶぶ、あぶ、ぶくぶくぶく」

「ら、ライカ、なんかまずいこと言ったぁ?」


 倒れるホムラに、さすがのライカも動揺している。

 しかし、今のライカの一言に対して――明らかに、様子がおかしくなっている人物がもう一人いた。


「ね、ねえ、ナコちゃんがソラのこと――好きってどういうこと? 仲間としてって意味よね?」

「お侍さん、私はクーラに真剣な想いを伝えました」

「え、えっ? うえぇーっ?!」


 ゴザルが叫ぶ。

 そんなことはお構いなしに、ナコが「んっ」と両手を広げる。僕はその要求に応じて優しくナコを抱き締める。

 ナコはすんすんと鼻を鳴らしながら、


「クーラ、頭もなでてください」

「よしよし、許してくれる?」

「はい。でも、あまり無茶はしないで――いえ、クーラに言っても止まらないのはもうわかっています。なので、クーラが無茶しなくてもいいように私がもっと強くなります」

「……ごめん。ありがとう、ナコ」

「いいなぁ、ライカもなでてほしいなぁ」

「ライカ、今は私の時間なので――本気で遠慮してください」

「ナコちんの目ヤバすぎてウケる」


 さて、本題に戻ろう。

 今日、集まったのは――今後、どう活動していくかについてだ。フレイムドルフの侵攻を阻止した今、ディスク1~2枚目の脅威はクリアしたと考えるべきだろう。

 僕の計画を実行するなら、今が最高のタイミングかもしれない。


「ゴザル、これからについてなんだけど」

「……聞かない」

「えっ?」

「私、ロリコンの話なんて――聞かないもんっ!」

「マジで?」


 ゴザルが――ホームから走り去ってしまった。

 泡を吹いて倒れるホムラ、抱き着いたまま離れないナコ、我関せずとお菓子を頬張り続けるライカ、なんともコメントし難い現場のど真ん中――僕は立ち尽くすのであった。

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