前世魔王な公爵令嬢はのんびりしたい

第39話 実技テストの内容

実技テストは野外学習でのグループ毎での連携魔法の実施となった。

グループ毎に学校側が用意した的に対して魔法攻撃を加え的を壊すといったものだそう。的は簡単には壊せないように王宮魔導師団作成の物を使用するらしいが、一定の時間でランダムに属性が変化するそうでただ魔法で攻撃をすれば良いだけではないようだ。その場の状況により、臨機応変にどれだけ対処出来るかが、この試験の意味なのだそう。

「じゃあ私達は第二王子殿下達と実技テストを受けることになるのね」

「そう言うことになりますわね」

私がそう言えばマリアが頷いてくれる。

「.....まぁ仕方がありませんわ。あくまでも先日の野外学習の代替試験なんですもの....しっかり殿下達と打ち合わせをして合格しなくてはいけませんわね」

「エリーゼ」

「そうですわね。それにしても的の属性が一定時間で変化すると言うのは対処に困りますわね。その場で瞬時にその属性に合わせて対処しなければなりませんでしょう？」

マリア様はチラリと他のクラスメイトに視線を向けると溜め息をひとつついた。

クラスメイト達は実技テストの方が楽で良かった～等と友人達とワイワイと笑いあっている。

きっとそんなクラスメイトの浅はかさに溜め息をついたのだろう。

「.....正直に言えば#私__ワタクシ__#は野外学習の方が余程簡単だったと思ってますわ。属性が変更になるのを瞬時に見極めて対処するなんて相手が攻撃をしなければどの属性に変化したかもわかりませんのよ？的と言ってもじっとして動かないのではなく、反撃可能な的だと言うのに....」

そう。王宮魔導師団が作成した的は所謂動かない的ではなく、" 動くし攻撃をされたら反撃する" と言う性能を用いた画期的な訓練用の的なのだ。それを学園の先生方が騎士団と王宮魔導師団にお願いをして借り入れる事が決まったとか。

正直何故そこまでして試験をしないといけないのか不思議には思うわね......。まぁ何もしない訳にもいかないんだろうけど.....。

「仕方ありませんわ、マリア。このテストを安易に考えているグループは所詮それまでの成績しか取れませんもの.....。私達は私達で出来ることをするまでですわ」

「.....そうですわね。他の方の成績なんて私には関係ありませんものね」

「そうですわ」

.....マリアもエリーゼも見た目とは違って意外と良い性格してるんだよねぇ.....

私はそんな二人にから笑いをするしかなかった。