第30話 グループ分け

担任の先生から野外学習のグループを決めるように言われた私達は勿論三人一緒でチームを組もうと以前マリアから話を聞いた時に決めていたのだ。


「失礼、ランドール嬢、マルシーネ嬢、クレイトン嬢」


そんな私達に声を掛けてくる猛者が居た。実はAクラスに最初に入った際に殆どのクラスメイトがほぼ仲の良い人達と既にグループが出来ていた。私以外の人は大抵が学園に来る前にお茶会等で顔見知りになり仲良くなっているパターンが多い。

高位貴族であるマリアとエリーゼに取り巻きが居なかった事の方が可笑しいのだ。


そして声のした方を振り替えれば、出来ればあまり関り合いになりたくない第二王子殿下が側近であるクラスメイトの侯爵家の次男を連れ、笑みを浮かべて立っていた。


「まぁ、第二王子殿下どうかされましたでしょうか?」


マリアが完璧な淑女の笑みを浮かべて第二王子殿下に対応する。一応この中で一番身分が高いのがマリアだからだ。私も同じ公爵家だが、ランクがあるのでマリアの公爵家より下なのだ。


「君達は三人で野外学習のグループのようだが、僕達も仲間に居れてくれないだろうか?」


はぁ??何を言っているのだろうか、この王子様は.....。


「それは......殿下は他の側近の皆様とグループを組むのではないのですか?」


マリアはどうしたら良いものかと悩みながら困った様に言う。野外学習で王子に怪我でもさせようなら、同じグループになった者が罰せられそうで若干怖いな。出来れば辞退したいけど......


「ああ、彼らは友人のグループの人数が足り無さそうでね、そちらに入る事になったんだ」


ちらりと第二王子殿下が視線を向けた先には五~六人のグループが居る。他のグループも大抵が同じぐらいのメンバー数のようで、三人と人数が少ないのは私達のグループだけだった。


......これはもしかして私達が断れないように示し合わせてたんじゃない......?


「私達では殿下の足を引っ張る可能性もありますわ」

「そんな事はないと思うけどね、君達は入学試験で十位以内に入る程の優秀さだ」


そこまで言われて断れば逆に不審に思われてしまう可能性もある。マリアは溜め息をひとつついてわかりました、と頷いた。


「では私達三名と殿下達の二人の合計五名でのグループと言うことで宜しいでしょうか?」

「うん、ありがとう」


此方を固唾を飲んで見守っていた周囲にいるクラスメイト達もようやく息を吐く。


そうだよね......緊張するよね......


それにしても、どうして近付いて欲しくない人達ばかり、近寄って来るんだろうねぇ.....




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