お汁粉や 璽の御筥に 似るなれば 剣のさじに 照るは鏡ぞ

 お汁粉に浮かぶ白玉をもしも三種の神器のひとつである八尺瓊勾玉やさかにのまがたまになぞらえるなら、さじは草薙剣くさなぎのつるぎとして、これですくった汁の輝きようは八咫鏡やたのかがみといえるかもしれない――――そんな食事中の与太話ざつだんについて描いている。


 ――以下、補足――

 ・おしる

 →お汁粉(小豆と砂糖を水から煮たものに餅や白玉を入れた料理のこと)+や(間投助詞)


 ・しるしはこ

 →璽の御筥(八尺瓊勾玉やさかにのまがたまを収める箱のこと。転じて、八尺瓊勾玉やさかにのまがたまをも意味する)


 ・るなれば

 →似るのであれば


 ・つるぎのさじに

 →剣(刀剣類の総称。この短歌においては暗に草薙剣くさなぎのつるぎを意味する)+さじ(スプーンのこと)


 ・るはかがみ

 →照る(美しく輝くこと)+鏡(光の反射を用いて姿形を映す道具のこと。この短歌においては暗に八咫鏡やたのかがみを意味する)


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第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部 水白 建人 @misirowo

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