第46話 8人の魔法少女
明人の住む市内には4つの高校がある。
春風東高校。
夏日西高校。
秋空南高校。
冬星北高校。
明人の通う高校は春風東高校である。
そして、それぞれの方角に設立されている高校の対角線を結ぶ中心に一つの建物がある。
数年前に廃校となった四季中央高校の跡地である。
その屋上に8人の魔法少女が集まっていた。
「ブラックソードが負けただと......」
≪私がこの目ではっきり見たから間違いないよ!≫
〔へー....まさかあいつが負けるなんてな(笑)。相手はどんな魔法少女だったんだ?〕
≪それが....相手は魔法少女じゃなくて人間の男だったんだよ!≫
「男だと....人間の....?信じられないな....」
≪なによランス!私の目を疑うって言うの?≫
〔お前の目は誰も疑っちゃいないよ(笑)。こいつが疑っているのはお前の話の方だよ〕
≪なんですって!?私が嘘ついてるって言いたいの?ピーロウ!!≫
「落ち着くんだ二人共....ティア、私は君が嘘をつくような魔法少女ではないことは知っている。だから教えてくれないか?ティアが見たものをもう少し詳しく......」
≪......うん、分かった≫
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「なるほど........」
〔いや~、やっぱり私は信じられないな(笑)。魔法少女の力に匹敵する人間なんて生物学的にいるわけねえもん!〕
≪なによ、バカのくせに生物学とか言っちゃってさ≫
〔あんだと!!〕
「不意打ちを受けたりしたわけではないんだな?」
≪先に人払いを使ったのはソードの方だったよ。だからそれは無いよ≫
「そうか......ソードは、我々の中でも特に高い戦闘力を持っていた。そのソードを正面から倒した男か......」
⦅一人だけ、心当たりのある魔法少女がいる....⦆
「何!それは本当か?」
⦅ええ、ほぼほぼ彼女で間違いないと思うわ。そいつの名前は魔法少女ミラクルピーチ。私の同期よ⦆
「ミラクルピーチ....奇跡の魔法少女か.....」
⦅あいつは確か、人間限定で自分の魔力を分け与える魔法が使えたはず。やつはその魔法で戦闘能力が高い人間を強化して使役しているのだと思うわ⦆
〔ふーん...自分が弱いからって人間の力を借りないとロクに戦えないなんてな(笑)脆弱な魔法少女もいたもんだぜ(笑)〕
⦅..............⦆
「.......なんにせよ、仲間が一人やられた。そのミラクルピーチは我々の計画の障害になる可能性がある。東高に在学していることが分かっているのなら、早めに対処する必要があるな.........」
≪それなら私に任せてよ!潜入なら、この中で一番私が得意なんだから!!≫
「ティア.....しかし一人では少々心配だな...だれか一緒についていく奴はいないか?」
≪いらないいらない!私の魔法は知っているでしょう!私の能力なら人間一人くらい人払いをせずに暗殺することができるわ!!変身しないとロクに魔法が使えない魔法少女なんてむしろ足手まといよ!≫
「そうか......まあそこまで言うならティア。頼んだぞ.....」
≪了解!!≫
〔あんたは良いのか(笑)〕
⦅....なにが?⦆
〔あんたの同期が明日死ぬかもしれないんだぜ(笑)〕
⦅ああ..そんなこと....別にいいわよ。もう、仲間じゃないもの。でもそうね。あの子には返してもらいたいものがあるから....それだけは持ってきて欲しいかな⦆
≪それってそいつのギアのこと?ついでに私が取ってきてあげようか?≫
⦅ギアはもちろんだけど、私が欲しいものはその人間の方にある。その男の心臓に埋め込まれているはずのミラクルストーンがな!!⦆
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