第43話 魔法少女 ブラックソード④
魔法の力でパワーアップしたとはいえ、剣を持った志麻と戦って勝てるのか....
いや、勝たなければ....もし俺が負けたら.....
そして、そのまま桜が志麻に負けたとしたら.......
俺はまだ死ぬわけにはいかないんだ!!
「安心してください兄貴....殺しはしないっす....でもあんまり抵抗されると邪魔なんで、両手足の腱を切り落として動けないようにするっす....」
「バカヤロー!!そんなことしたら俺が一生歩けなくなるじゃねえか!!そしたら志麻の望んだライダー復興なんて....」
「構わないっすよ....そうなったらホームレスの兄貴を一生私が養ってあげるっす....私は兄貴の隣にずっといられればそれでいいんで....
そうだ....!
もし兄貴が歩けなくなったら私が兄貴の介護をして....私がいないと生きていけない体に....ふふふふ....そうだ.....回りくどいことしないで最初っからこうすれば良かったんだ....」
だめだ....まるで話が通じん......
コイツを止めるには....なんとかして力ずくで取り押さえないと。
中途半端な気持ちではダメだ......
こっちも殺す気で戦わないと......覚悟を決めるんだ!!
「すまないな志麻...悪いが、もう一度気絶してもらうぞ!!」
ブラックソードに向かって一直線に走り出す。
「真向勝負ってことっすか.....兄貴らしいっすね。でも少し力が強くなったからといって本気の私に勝つことはできないっすよ!!」
...............
武器を持ったからと言って強くなったとは限らねえ....
その大剣は何キロの重さなんだ?
見当もつかないがとにかくメチャクチャ重いことには違いない。
それを振り回せば、たしかに攻撃の威力は格段に跳ね上がる。
だが素手の時よりも明らかにスピードは遅くなっていた。
プリティスーツで力を強化しても、それを持つ限りスピードでは俺の方が上。
だったら勝機はまだある!
奴が攻撃する前に俺の攻撃が通れば!!
「ブレードモード!!」
(!?.......)
ブラックソードの掛け声とともに大剣の形状が変形し始める。
「何ぃ!!」
細く、短く、重量感のあった大剣とは変わって切れ味の鋭い軽量化した刀剣へと姿を変える。
「これが私の本当の戦闘スタイルっす!!私を昔のような脳筋バカだと侮ったっすね!!」
くっ.......どうする....!?...引くか....?
だめだ、この距離なら志麻はその姿勢を見せた瞬間に切り込んでくる。
そうなったらもう避けれない....
だがこのまま突っ込んでも....
いや、どうせ斬られるならいっそのこと.......
「チェックメイトっす....兄貴.....」
「うおおおお.....届けええええ!!」
なんとかして当てないと!!
生死の淵に追い込まれた俺は必死だった!
俺には、この力には時間がない、逃げることはできないんだ!!
ブラックソードの攻撃方法が変わっても関係ねえ!!
0.0000001秒でも先に、相手をブッ飛ばすことができれば!!
それが決着になるんだ!!!
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