第36話 果たし状を宣言する!!
「逃げずによく来たっすね....流石は兄貴っす!!」
「おー....よくこんなに集めたな。俺の時よりも勢力増えているんじゃないか?」
志麻を先頭に後続が10人ほど。
中等部の精鋭をそろえたということか。
ことを起こす気満々だな。
「そんなに広く陣形を取ったら下校する生徒の邪魔になるだろ?見ろ!みんな怖がって帰れていないじゃないか」
「安心するっす!後ろの幹部たちには手出しはさせねえっすから!!私の目的はあくまで兄貴一人っす!!」
「俺?」
ふ~ん....予想が外れたな。
てっきり嘘とはいえ志麻の中で俺の彼女扱いになっている桜を狙ってくると思っていたのだが......
「兄貴!!今から私とここで、タイマンを申し込むっすよ!!!」
「.........
ほう。聞き間違いかな?もう一度言ってもらってもいいか?志麻」
「兄貴が変ってしまったのはあの女が原因っすね!!あの女が兄貴になにかを吹き込んだから、チームを解散するなんて言うんだ....
でも私には...私には兄貴が必要っす....
私がついていくヘッドは....兄貴以外考えられないんっす。
だから私とタイマン....
もし私が勝ったら、あの彼女とは別れてライダーに戻ってきてください!!
お願いっす!!!」
「..........」
「兄貴!!」
「分かった。いいよ。........やろう。それで志麻の気が済むならな」
「兄貴なら....受けると思ってたっすよ。そういうことなら、手加減しないっすけどいいっすよね?」
「好きにしろ。ただし、俺が勝ったらチームは解散したままだ。次からは俺を説得しに来ようともするな。それでいいだろ?」
「いいっすよ。
(すぅ~~っ)
お前ら!!今の兄貴のセリフ聞いたよな!!!」
『押忍!!!』
「見てのとおりっす!!約束は守ってもらうっすよ兄貴。後ろにいる仲間がその承認っすよ」
そいつら、そのためだけに連れてきたのか....
志麻は無茶苦茶な奴だけど、約束や義理は守る奴だ。
その幹部たちは本当に手を出してこないのだろう。
それは良いと思うのだが.....
志麻は右の手のひらを上に向け腰を右へひねり、左腕は真っすぐ横に構える。
志麻の考えた独特の構えだ。
空気が変わったのが分かる。
志麻は本気で、俺と戦おうとしていた。
俺と志麻が初めて出会った頃を思い出す。
あの時は勝ったとはいえ、ギリギリだった。
あれから2年。
今の志麻の戦闘力は未知数。
俺も本気でやるしかないか.......
張り詰めた空間でお互いに間合いを詰める。
今から数秒後に試合開始のゴングが鳴ろうとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます