第35話 待ち伏せ

朝の一件が終わり、あっという間に放課後になっる。


俺は桜から離れることができない制約が課せられてしまった。


おかげで俺まで授業を一緒に聞く羽目になってしまった。




「一日中寝てたわね.....せめてイビキくらいはかかないようにしてれる?うるさいのよ....」



「退屈な授業をする教師共が悪いんだぜ.....言ってる意味わからんし、そりゃ眠くもなるよ」



「今まで授業受けてこなかったツケが回ってきたんでしょう。いいじゃない、これからは毎日授業を受けることになるんだから真面目に勉強したら?そうじゃないと将来苦労することになるわよ」



「へん!やなこった!!」



「本っ当にこの人は.....」




勉強ができたところでせいぜい大人に良い顔したいだけだろ?


そんなもののために毎日毎日と.....


ちゃんと授業受けている有象無象のやつらの気が知れねえぜ....



そんなことを思って帰ろうとした時だった。



『おい、なんだアイツら....』


『中等部の生徒たちじゃない?』


『なんか全員ガラ悪そ~....』


『なんか誰かを待っているみたいだけど.....何の用だろ.....』




.......................



ん~.....


なんか心当たりがあるような無いような.....




「よし、帰るぞ桜。今日は裏口から帰った方が風水が良さそうだ!」



「何言ってんのよ。裏口からなら遠回りになるじゃない」



「クラスのやつらの話聞こえただろ?志麻が校門に来ているんだよ。間違いない、奴の狙いは桜だ!会うと面倒だから早く逃げるぞ....」



「あら。それなら早く会わなくちゃ」



「あ~ん!?お前俺の話聞いてたか??」



「だって、今日裏口から帰ったところであの子、明日もまた来るでしょ?私はいやよ。これから毎日あの子のために裏口から遠回りして帰るのは。それに逃げ続けたところで向こうが諦めない限りいつかは会うことになるんでしょう?だったら問題は早めに解決するべきじゃない?」




........まあたしかに、桜の言うことも一理ある。


問題解決するなら今、か.....それなら.......




「分かったよ!だったらほら、早く行ってきて誤解を解いてきてくれ....」



「え?私が行くの?」



「そりゃそうだろ!!誰のおかげでこんなことになっていると思っているんだ!」



「あらそう....まあいいけど.....怪我させないように手加減できるかしら.....」



「なんだって!?

おい、まさかとは思うが志麻相手に魔法使う気じゃないだろうな....」



すると桜は悪い顔になる....


悪代官のようにニヤけながら、


「まあ、それは志麻ちゃん次第かしらね...」


そう言った。



ああ、これはマズイぞ....


気の強いこの二人が出会ったら、血で血を争う喧嘩に発展することは目に見えている.....



いくら志麻でも魔法少女には勝てん....俺の二の舞になってしまう。


そうなったら.....



「待て,,,,,,」



「あら。どうしたの?」






「.....やっぱり俺が行く....」

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