第34話 唐突な彼女設定!
落ち着いたところで志麻を離してやった。
「ふーっふーっ......やっぱり納得いかねえっす!!一体この女は兄貴のなんなんっすか!?」
....................
うーん.........その質問は難しい。
桜は俺の.....何だ?
友人?いや違う。
知り合い。
強いて言えばそんなところだろうか?
「私は明人君の彼女よ!」
「ブフッ!!おい!!いきなり何言ってんだお前!!」
「..........今なんと???」
志保の顔つきが変わった。
今にもバトルが始まりそうなくらいギラギラした目つきから、急に魂が抜き取られたかのように口をあんぐりと開けていた。
「私は明人君の彼女です。私たちはお互いにとっても重要な関係で、学校ではいつも一緒。ご飯も一緒に食べて登下校ももちろん.......
そしてさらに.....
私と明人君は同棲しています!!!」
「どう....せい........」
「おいおい、何言ってんだよ桜。いや言ってることほとんど間違ってはいないけどさ......どうして彼女とか、そんな嘘つくんだよ!」
「別に。そっちの方が都合がいいでしょ?これからは近くで生活することになるんだし。それに私ってほら、可愛いから明人君を彼女ってことにすればいい男避けになるし」
「お前なあ....そういうことを勝手に.....
ああ志麻。まあ、そういうことだ。俺とこいつが付き合っているとか、そういうんじゃないからな。
..........ん?志麻??どうした?おーーい!!」
志麻は心ここにあらずだった.....
ただひたすら、
「かのじょ....じゅうようなかんけい.....どうせい.....」
と、呪文のようにひたすら単語を繰り返していた。
こりゃだめだ....
俺の声は全然届いていない。
「志麻~....しお~~......おーい........帰ってきてくれーーー!!」
「うわあああああああ!!」
うおっ、びっくりした!!
急に志麻は発狂し始めた。
「兄貴の馬鹿ーーーーーーー!!!!」
そう叫びながら走り去っていった。
「....なんなのよ、あいつ。変なの。」
「勘弁してくれよ!!志麻が誤解しちゃったじゃねえか.....」
「どうせこれから校内の生徒全員が知ることになるんだからいいでしょ。
(それに、あの子にはちょっと意地悪したくなっちゃったし.....)」
「ん?今なんか言ったか??」
「いえ。別に......」
「は~...えらいことになったな.....
まっ、今日からせいぜい夜道に気を付けることだな.....」
「夜道?私が?」
状況をうまく呑み込めていない桜だった。
それもそのはず、志麻の両親以外で彼女について一番詳しいのはこの俺だからな....
「できればさっきのうちに誤解は解いておきたかったんだが....志麻のやつ、キレたら何するか分からないんだよ......あいつが一度戦うと決めたら、どこまでも追いかけてきて所かまわず奇襲を仕掛けてくるから結構怖いんだよな....」
「その時は明人君が守ってね!!」
「ふざけんな!!」
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