第30話 不良の生活事情
手を叩こうとする桜を避ける。
「おい、割れたらどうするんだ!」
「コップの心配?呆れた....」
「......まあ、見てのとおりだ。俺はこんな生活をしているんだよ」
桜は眉をひそめた。
まだ少し疑っているような表情をしている。
「その...まだ信じられないわ。あなた、こんなところに住んでいて普段はどんな食生活しているのよ!」
「おっ!それ気になるか?それなら俺が普段何食ってるか見せてやるよ!」
―――――――――――――――――――――――――――
俺は桜と一緒に住宅街へでかけた。
「ここで何をするの?」
「今日の夜飯を取りに行く」
「まさか、人の家に入って泥棒とかする気じゃないでしょうね....」
「..........」
「え?まさか本当にやる気じゃないでしょうね.....」
「何を言ってるんだピーチ。そんなことするわけないじゃないか。
俺はただそこに成っている柿と畑に植えてある野菜を取るだけだ!!」
「やめなさい!!
どう見ても私有地よ!!泥棒じゃないの!!」
「んなこと言っても腹減ったしなあ....」
「背中割くわよ....」
「はい!スイマセン!!違うもの探しに行きます!」
――――――――――――――――――――――――――――
次に俺たちは行きつけの居酒屋街へ向かった。
「まったく....最初から飲食店に行っていればいいものを........
居酒屋なのがちょっと気になるけどお金はちゃんと持っているのよね...
明人君、未成年なんだからお酒とか飲んでないでしょうね?
....私の目の黒いうちはそんなこと...」
「こっちだ....」
「どこ行くのよ明人。入り口はここよ。そっちの裏側には何も.......
えっ.......」
「あーくそ。今日は外れだな。ろくなモンが入ってねえな......」
「何やってるの......?ゴミ袋なんか漁って....」
「運が良ければ手のついてない料理が入ってたりするんだがな.....
おっ、ラッキー!唐揚げ入ってた!!」
「やめなさい!!!
カラスかあんたは!!!」
「あ?何?これもダメなのか......」
「当たり前でしょ!!もっと普通の人間らしい食事をしなさいよ!お金とか持ってないわけ??」
「金...金か........よし!」
―――――――――――――――――――――――――――
「今度は何するつもりなのよ.......ここゲーセンよ....」
「要は金を持ってくればそれでいいんだろ?」
「私そんなこと一言も言ってないんだけど.......」
俺は他高の不良共を見つけ出し、友好的に話しかける。
「よう、兄弟!!調子良さそうだな!!」
「あ?誰だお前??」
「お前今いくら持ってる?」
「は?(笑)なんだこいつ.....頭イカれてんのか?俺を誰だと思って ベブッ....」
「いいからとっとと寄こせよ!殺すぞ!!」
グループ内のボスっぽいやつを倒したところで、ゆっくりと財布を取ろうとする。
「コラーーーー!!!
やめなさーーーーーーい!!!!!」
突然、背中から割れるような痛みがし、俺は悲鳴を上げながら気絶した。
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