第26話 捕獲成功!

痛っ.......


右足の痛みで目が覚める。



「もうすこしだけ待ってて。治すには時間がかかるから...」



どうやら俺の傷の手当てをしている最中だったようだ。



「良かったーー....マジで死んだかと思った.....」



「死んでたわよ」



「えっ!!嘘!?」



「嘘よ。」



「..............」



こいつ.....ふざけやがって.....



「そういえば、あいつはどうなったんだ!?」



「ああ、キャロットならあそこ」



ピーチの指さした先の部屋の角に少女はいた。



「んーんーーーー!!」



縄で亀甲縛りにされている女の子がいた。



「マジカルギアはここにあるから大丈夫よ。今は普通の女の子の力しかないからあれを解くことはできないわ」



「.......あれはピーチの趣味なのか」



「何が??私はただ身動き取れないように厳重に拘束しただけだけど?」



....イマイチボケているのかマジなのか分からん.....


なんだかこいつのことを知るのももう少し時間がかかりそうだな......



「まあ、目的が達成できたなら良かったよ。あれだけの思いをしてそれが手に入ってなかったらと思うと、精神的にキツかったと思うからな.....」


「それについてはお手柄だったわね。褒めてあげるわ」



ちっ、上から目線かよ.....



「まっ、私の優秀なサポートありきと言ったところかしらね!!」



「....................


ああ、そうかもな.........(正直、強化魔法以外あんまし役に立たなかったけどな...)」



「ん?何か言った??」



「いや、なんでもない.....」



地獄耳か!!



「んーーんーーーーー!!」



再び暴れる少女のほうを見る。



これがべジキャロットの人間の姿か.....


髪は黒髪に戻っているが確かに面影がある。


バキバキに折れていた歯と鼻が綺麗に戻っている。


それ以外のところが傷だらけのところを見るときっとピーチが顔だけは治してくれたのだろう。



魔法少女の姿のときから感じてはいたが、自称可愛いというだけあって、たしかにそう本人が勘違いをしてしまうくらいの身なりはしている。


今は縄を解こうと必死になってすんごい顔になっているが.....



「こいつはどうするんだ?」



ピーチにそう聞くと、


「まあ、もう用はなのだけれど.....そうね....」



口についたガムテープを思いっきり引きはがし、



「あなたはどうしましょうか?完全に殺意むき出しだったから、このままヤっちゃってもいいのだけれど?」



主導権を握ったピーチは容赦なく問い詰める。


その人間の少女は、泣きながら、


「うわーん!!ごめんなさい~私のギア返して~~」


と顔をぐしゃぐしゃにしながら謝罪していた。



「自分のために魔法を使いすぎるから他の魔法少女に見つかるのよ!自業自得でしょ!」



「グス....それがないと私ダメなんです....それがないと私、ただ可愛いだけしか取り柄のない美少女ってことがクラスのみんなにバレてしまうもん!!」



「............」



「うわー....何この人.....ねえ明人...こいつ自意識過剰すぎない??」



お前が言うな、お前が........


こいつらというか、魔法少女がというか、マジで似た者同士だな.....

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