第24話 読み合い
「観念したみたいね.....それとも、ここから逆転できる奇策でもかんがたのかしら....」
「ふん、まあそんなところだ.....」
最初に言っておくが、これは強がりではない。
本当に正気を見出したからこそ俺はこうして出てきた。
俺はついさっき、食材が吸い込まれる瞬間を見ていた。
打ち出されたほとんどの弾が木っ端みじんに砕かれて使い物にならない中で吸収されていった食材は全部で23発。
数えていたから間違いない。
そして今、それが全て打ち出された。
俺はただ隠れていただけではない。
しっかりと打ち出された砲弾の数を聞いていたんだよ!
そしてそれが23発全て打ち出された。
射出された食材も一度打ち出されたであろう食材ばかり、つまり....
もうあの中に食材はもう残っていないはずだ!
再び打ち出すなら、また落ちている弾を吸収しないといけない。
その一瞬を狙う。
ずいぶんと余裕ぶっているが一番焦っているのは奴のほうだ!!
再充填される前にここで叩き潰す!!
つま先に全力をこめ、キャロットへ向かって突撃した。
今はパワーでは俺が上。
近づきさえできればすぐに倒すことができるんだ。
この瞬間を逃すわけにはいかない!!
「23発.........」
そう呟いてキャロットの口角が上にあがる。
「何っ!!(こいつまさかっ!!)」
「もうこの中には弾になるような堅い食材は入っていない......そう思った.....?」
とっさに心臓を左手で隠す。
気づいたときには弾道は左肩に当たり、強く後方へ吹っ飛んでいた。
「ぐあああ!!」
熱い、左肩から中心に全身に炎症が広がっていく。
「気づいていないと思った?私が弾を補充しているときに一生懸命見ていたもんね......数えていることくらいすぐに分かったよ.....」
全部読まれていた......
俺の目の前でわざわざ充填を始めたのも、打ち出した食材が吸収したものと全く同じなのも、俺を弾切れだと思わせるための罠だったんだ.....
「この世で一番固い食材。それは鰹節。その硬度は7~8に匹敵して水晶並みの硬さをもっている。それを鋭利に削ってここに収納している。これが私の切り札....」
勝ちを確信した魔法少女がゆっくり近づく。
「あなたの判断は間違っていない....さすが、喧嘩慣れしていると言ったところね。でも私の方が一枚上手だった。ただそれだけのこと.......今の一撃でバズーカの弾は尽きた。でも惜しかったわね...次で確実に急所に打ち込んであげる...」
再び少女の周りに気流が発生し始めた。
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