第14話 謎の手紙

小夜見 桜。



短髪の茶髪でモデルのようにスラッとした体型。


同年代の女子に比べれば身長は少し高めでスポーツが得意そうな雰囲気をかもし出している。


顔は整っており、可愛いとクラスの連中が思うのも納得のビジュアルだ。



そんな彼女の制服はまだ間に合わなかったのか前の学校のときのものを着ていた。


その制服は前に身に着けている生徒を俺は見たことがある。



2つくらい隣の町にある金持ちお嬢様しか通えない市立の女子高の制服だ。



ボンボンじゃねえか。


ますます俺の敵みたいな存在だな....




そんな彼女は俺の隣の席まで来て深々と丁寧に頭を下げた。


「おはようございます。小夜見 桜です。今日から隣の席なのでよろしくね。もしよかったら放課後にでも私に校内を案内...」



「気安く話しかけんな!!」



「え.....?」



無知とは怖いものである。


知らないなら教えてやるしかあるまい。


こういうのは最初が肝心なのだ。



「俺の隣の席に来るのは別にいい。それはお前の勝手だ。だがな、俺はお前と仲良くする気はない。俺は気が長いから最初の1回目だけは許してやるよ。だが次からは二度と俺に話しかけるな!転校2日目から不登校になりたくなければな!」



そう吐き捨てて窓の外に顔を向けた。


その後、その転入生がどんな反応をしたかは分からない。


静まりかえった教室に椅子を引く音が響き、無言で席に着いた音がした。



担任の先生は何事もなかったかのようにホームルームを締め、1限目の授業を始める。


俺は昼寝の続きをしようとした。


両腕を机に置き、椅子を後ろに突き出し、額を手首につけ、頭を埋める。



その時、頭に何かが当たった。


それは腕と頭の隙間に乗っかり、それをイラつきなからむしり取る。



見るとそれはノート1枚をくしゃくしゃに丸めたボールだった。



.....は?


誰だよやったの。


これ喧嘩売ってるってことでいいよな?


次に投げた犯人見かけたら授業中とか関係ねえ。


今すぐボコしてやる!!



そう思った時、右目の視界の中に転入生の姿が映る。


こっちを見て何かジェスチャーを始めた。



なんだよ。テメーか?これ投げたの??




転入生のその動きは『開いて!』と伝えていた。



この紙くずを開けろと、そう言っているのだとすぐに察した。



話しかけるなと言ったはずなんだがな....


文通ならOKと勝手に解釈しているのか?


この命知らずな...



しかし、今さっきあんな脅しをかけたばかりなのにそれでも渡してくるメモとは一体何なのだろうか?


中身が気になり転入生の言うとおりにその紙を広げた。



その内容を読んだ瞬間に絶句し、「うぐっ...」と変な声がでる。


海外の漫画で例えるなら目と心臓が口の中から飛び出すような感じだ。


そこに書かれていた内容は......













次、私に舐めた口聞いたらブッ殺すから。


         魔法少女ミラクルピーチより



 


読み終わったあと転入生を恐る恐る見ると不気味な笑みを浮かべた。



昨日の出来事がフラッシュバックする。



そうだ!!よく見ろ、

もし、こいつの髪を金髪にしてピンク色の服を着せたとしたら....



今気づいた.....


完全にあいつじゃねーか!!!



急に頭痛と吐き気がして気が遠くなりそうになった.......

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