第12話 お前はすでに死んでいる!!

「はあ.....はあ........何を訳の分からないことを言っているんだ......」



「明人君。あなたはさっき銀行強盗をしていた魔法少女に殺されているのよ。それを私が蘇生の魔法で生き返らせてあげた。ちなみに数ある魔法少女の中でも蘇生の魔法が使えるのは私だけなの。どう?すごいと思わない??」



死んで.......いる......だと??



いや、仮にそうだったとしても、今はそれはどうでもいい......



そう、今は........



「今はそんなことはどうでもいい!!早く治せ!!血が止まらないんだよ!!このままだと本当に死んでしまう!!!」



「あら?死体が何か喋っているわね。まあいいわ。そんなことより明人君。私は今とっても困っているの。あなたのその背中の傷よりももっと深くて大きな悩みを抱えているのよね。もしよかったら明人君に手伝って欲しかったのだけれど.....でも残念ね。断られちゃった.....」



「悩みだと!!魔法少女を潰すって、それのことだよな!それのどこが......」



「力の差は歴然なのにそれでも勇敢に立ち向かう明人君の姿。私感動しちゃった。こんな人が私の味方になってくれたらどんなに頼りになるだろうって」



「うるせえ!早く治せ!話はそれから聞いてやる!!」



「私はミラクルウィッチのカテゴリに属する魔法少女。私たちの魔法は奇跡を起こすことができる。ただね。奇跡は1度だけ.....正確には一人しか蘇生することができないの。次の人間を生き返らせるには最初に蘇生させた人間は土に戻さなければならない....」



「なん.......だと.........」



「明人君以上に魔法少女と戦える適性のある人間がいるかは分からないけど....あなたの言うとおりね。他を当たることにするわ。ただその前に........


私のミラクルストーンは返してもらうわ」




心臓辺りにある何かが動いた。


なんだ....?妙な感覚だ。



そこにあるのは俺の命そのもの。それが直感で分かった。


これを抜かれるとマズイ......それだけは絶対にだめだ!



「わわわ、わかった!!協力する。お前の言うことは何でも聞く!!だから早く傷を治してくれ!!!」



「ん...?お前...?あらあら。自己紹介がまだだったかしら?私の名前は」



「あーー!!ピーチ!ミラクルピーチだろ。わかったよ!!協力するよ!俺が...魔法少女が何人来ようがぶっ飛ばしてやる!!それでいいんだろ!」



「え、タメ口.....??」



「ああっ、、すいませんでした!お願いです!!治してください!!!」



「うん!......よろしい!!」



満面の笑みで金髪美少女は笑った。



その瞬間に背中の痛みが和らいだ。



最初は女神のような優しい少女だと思っていたがとんでもない。


ヤバすぎる女だこいつは......


まるで悪魔のよう。



だが、それでもなんとか.....


無事一命はとりとめたらしい........


いや、もうすでに俺は死んでるらしいが....

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